このページでは、オーストラリア国内で手に入るビールの中から「これは絶対に飲んでほしい!」というおすすめ銘柄を15本、ランキング形式でご紹介いたします!
2023年にこのページを立ち上げてから、おかげさまで今年で3年目。今回は内容をしっかり見直し、2025年版としてパワーアップさせてお届けします。
実は今回悩んだことがありまして、、。
それは定番の大手ビールとクラフトビールを別々に分けてランキングにすべきか、それとも全部まとめて1つのランキングにすべきか、という点です。熟考の末、今回はあえてごちゃまぜでのランキングにしています。そのぶん選定の難易度は上がりましたが、それでも「これはおすすめしたい!」と胸を張れる銘柄だけを厳選しています。
なお、本ランキングはオーストラリアにお住まいのビール通向けというよりは、どちらかというと旅行や短期滞在の方、あるいはオーストラリアのビール文化にまだあまり触れたことがない方向けの構成かなという気がします。「オーストラリアでビールを飲むなら、まずはここから!」というガイドとして、ぜひご活用ください。
そして最後に、このページだけはちょっと特別。ビールに対する管理人のアツい思いが詰まっておりますので、いつもより少し語り口調でお届けします。
それでは、オーストラリアのビール旅へ――レッツらゴー!
オーストラリアビール銘柄選出基準
まず主な選出基準は以下の通り。
- 味・香りなど、ビール本来が持つ“うまみ”
- 製品としての歴史
- 人気(州ごとの取扱いや支持のされ方)
- 入手のしやすさ
- 値段
- そして――オーストラリアビールガイドの熱い思い
本ページでは、まず何よりも「味」と「香り」、つまりビール本来のテイストに最も重きを置いて選定しています。やっぱり、うまくなければ始まりません!
次に重視したのが「歴史」。最先端のクラフトビールも素晴らしいですが、長く愛されてきたロングセラー商品には、その国の文化や味覚が詰まっていると考えています。
3番目の「人気」については、州ごとに好みが大きく異なるオーストラリアならではの特徴を踏まえて評価。ある州ではスルーされていても、別の州では大人気、なんてことも普通にありますからね。
4~5の「入手のしやすさ」と「値段」も、旅行者や一時滞在の方にとっては大事なポイントです。せっかく行っても買えない、高すぎる、では楽しめませんので!
そして最後に、「6. オーストラリアビールガイドの思い」。これはもう、完全に個人的情熱です(笑)。とはいえ、現地で何百本と飲んできた経験からくる視点ですので、少しは信頼していただければと思います。
ちなみに評価は、各項目に重みをつけて、以下のような数式で最終的にスコア化しました
最終評価 =
5 × [ 0.3 × 味 + 0.2 × log(歴史+1) + 0.15 × 平均(人気) + 0.15 × log(入手性+1) + 0.1 × 1/価格 + 0.1 × 管理人の思い ]
という公式にて導きました。
まぁ、めんどくさいことは抜きにしまして、単純に点が高ければおすすめだということで行きましょう。
オーストラリアビールおすすめランキング!
第1位 ビクトリアビター
総合評価
4.91
ビクトリアビター (Victoria Bitter)

味わい | 香ばしいワイルド | アルコール度数 | 4.9% |
スタイル | ラガー | メーカー | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ |
当サイトがおすすめするビール第1位、それは2025年版に置きましても不動のビクトリアビター、通称VB(ブイビー)です。
「おいおい、結局第1位がブイビーかよ、、。」とがっかりしないでください。
1854年に誕生してから1960年代以降オーストラリアビール製品の頂点として君臨し続けた本品。現在そのトップは他に譲っていますがそれでもやはりオーストラリアを支配し、まさにオーストラリアビールの歴史を築いてきた作品と言って間違いありません。オーストラリア国内では知らないものは誰もおらず100%の定番ビールですから外すわけにはいかないでしょう。
生産されるメーカーもオーストラリアのビールシェアナンバーワンのアルコール飲料ジャイアント、カールトン&ユナイテッドブルワリーズ。まさに王者のメーカーが醸す王者のビールなのです。
味わいに関して言うと、オーストラリアでは普通のビールとは評価されてしまうものの、普段日本のビールに慣れているかたからするとかなり優秀だと感じます。
一口目から感じさせる独特の深く香ばしい味わい、思いのほかに深いコク、程よい苦味にリッチな味わいは「これがオーストラリアでいう、普通のラガービールなの?」と感心せざるを得ません。いや、あくまでVBはさっぱりのど越しでゴクゴクいく類のビールではあります。その前提としても上記のような味わい深さを感じることができるのです。
オーストラリアを訪問する際には絶対に試して頂きたいビールですが、日本でも大手スーパーやオンラインストアで普通に入手可能。よい時代になりましたね。
絶対にお試しいただきたい銘柄。
ビールのスペック含め味わい、歴史等詳しくはビクトリアビターのページを参考ください。
第2位 XXXXゴールド
総合評価
4.86
XXXXゴールド (XXXX Gold)

味わい | さっぱりがぶ飲み系 | アルコール度数 | 3.5% |
スタイル | ラガー | メーカー | メーカーはライオン 醸造所はカッスルメインパーキンス |
当サイトがおすすめするビール第2位はXXXXゴールド(「フォーエックスゴールド」と読む)です。
「おいおい、第2位がXXXXゴールドかよ、、。」と再度がっかりしないでください。こちらもやはりオーストラリアを支配するビール。もちろんオーストラリア国内で知らない人はいません。特にクイーンズランド州では絶大な人気から、同州を支配してしまっているのではないかと疑わせる超定番品。第2位にふさわしい銘柄です。
こちらの生産メーカーは、オーストラリアのビールシェアナンバーツーのアルコール飲料ジャイアント、ライオン。そこが保有するカッスルメインパーキンスというめちゃくちゃかっこいい名前のブルワリーで醸造されています。
オーストラリアのビールはアルコール度数の強さから3つに分類されています。それぞれフルストレングス、ミッドストレングス、ライトと呼ばれていますがこれはアルコール度数控えめのミッドストレングス*に分類されアルコール度数は3.5%。日本人の方は低アルコールビールをもしかしたら好まないかもしれません。
*詳しくはアルコールの強さによるビールの分類を参照ください。
しかしこのXXXXゴールドだけは本当に別格。アルコール度数の低さを全く感じさせないフルフレーバーを見事に実現しており軽い飲み口でありながらもそのボディ、苦味、コクを程よく残しています。そしてそして、やはり非常にさっぱりして飲みやすい、超がぶ飲み系ビールなのです。
夏の日差しが強いオーストラリアの昼間から一杯!そんなときに絶対に手にしていただきたい。絶対に気が付いたら次へ次へと止まらなくなっているはずです。
詳しくはXXXXゴールドのページへ!
第3位 クーパーズスパークリングエール
総合評価
4.85
クーパーズスパークリングエール (Coopers Sparkling Ale)

味わい | 香り高く濃い | アルコール度数 | 5.8% |
スタイル | エール | メーカー | クーパーズブルワリー |
おすすめビール第3位はクーパーズブルワリーからクーパーズスパークリングエールです。
こちらは味わいレベルだけで言えば、1位のVB、2位のXXXXゴールドより圧倒的に、本当に旨いビールです。大手大量生産のビールでここまでの品質、味わいをどうして出せることができるか。そう驚かずにはいられないほどに完成度の高いビール。
奇しくも本ランキング第3位のビールを造るメーカーは、オーストラリアのビールメーカー大手シェア第3位のクーパーズという企業(かつブルワリー)。しかも本メーカーはかつて一度も外資の手に渡ったことのない同族にて経営が続く純国産企業。オーストラリアの風習に従った丁寧な醸造が期待できます。
さてこのクーパーズスパークリングエール、深紅でかっこいいラベルに、飲む前には瓶底に残る澱(おり)をかくはんさせるため瓶を倒して手でやさしくコロコロ回す儀式など飲む前から楽しいですし、飲んでみるともっと楽しくなる事でしょう。
フルーティーなアロマにフルボディーのコク、上面発酵が織りなす複雑な味わいにロングラスティングテイスト、独特な苦味が特徴的でそれもまたかっこいい。
このビールは日本でも入手可能なため機会があれば絶対に試して頂きたい逸品。オーストラリア大手ビールメーカーの底力がうかがえます!
詳しくはクーパーズスパークリングエール のページへ!
第4位 ストーン&ウッド パシフィックエール
総合評価
4.84
ストーン&ウッド パシフィックエール(Stone & Wood Pacific Ale)

味わい | 南国フルーツジューシー系 | アルコール度数 | 4.4% |
スタイル | パシフィックエール | メーカー | ストーン&ウッドブルーイングカンパニー |
おすすめビール第4位はバイロンベイ発、オーストラリア東海岸のゆるっとした空気をそのまま瓶に詰めたようなビール、ストーン&ウッド パシフィックエール。大手以外でクラフトビールのランクインは本製品が初登場となります。(*クーパーズは大手なので、いったんクラフトビールの枠から外して考えました)
クラフトビール界の新星というより、今や超定番といっても差し支えない存在感を放ち、数あるペールエールの中でも抜群の知名度と飲みやすさで、多くのファンを獲得しています。
数々の品評会における受賞履歴グラスに注いだ瞬間から立ち上る香りにのは、まさに太陽を浴びた完熟パッションフルーツやマンゴーのような甘くフルーティーなアロマ。非常にジューシーで華やかな香りが広がったあと、そのまま軽やかでスムースなボディがスイスイと喉を流れていきます。この爽やかさとアロマの華やかさのバランスが本当に見事で、「香り高いビールは重い」というイメージを覆す逸品です。
醸造所のコンセプトそのままに、地元の気候や風土を映し出すような、パッショナブルなビール体験がここにはあります。まさに夏のビーチ、昼下がりのサーフィン帰りにぴったりな一杯。
詳しくはストーン&ウッド パシフィックエールのページへ!
第5位 カールトンクラウンラガー
総合評価
4.80
カールトンクラウンラガー(Carlton Crown Lager)

味わい | 芳醇かつピュア | アルコール度数 | 4.9% |
スタイル | ラガー | メーカー | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ |
おすすめビール第5位はオーストラリアを代表するブランドのひとつ、カールトンクラウンラガーです。
このビールはプレミアムビールという名目で徹底的な高級感にこだわったマーケティングが施されており、クラウンラガーを飲むときはワンランク上の優雅なひと時を過ごせる、そういわんばかりのイメージが見事定着、オーストラリアのプレミアムビールの中では圧倒的な売り上げを誇っています。
しかし大手がお金を使ったマーケティングによる作られた人気かというと決してそんなことはないんです。何せ本当にウマいのですよ。
ホップにはプライドオブリングウッドを、そしてカールトン&ユナイテッドブルワリーズ伝統の酵母を使い水にまで徹底的にこだわりじっくりと熟成しました。
飲んでみると非常にピュアで透き通った飲み口に加えフルーティな味わいに仕上がっていることに驚かされます。クリーミーな泡も見逃せません。飲んでいるとわかるのですが本当に優雅な時間が過ごせてしまう、このイメージは伊達ではありませんね。
日本のプレミアムビールというとサントリーのプレミアムモルツや、サッポロエビスが有名ですがそれとはまた違った高級なプレミアムビールを知ることになるでしょう。
オーストラリアではこちらも絶っっ対に試して頂きたい逸品!
詳しくはカールトンクラウンラガーのページへ!
第6位 トゥーイーズ ニュー
総合評価
4.70
トゥーイーズ ニュー(Tooheys New)

味わい | 草原のワイルドな麦芽感 | アルコール度数 | 4.6% |
スタイル | ラガー | メーカー | メーカーはライオン 醸造所はトゥーイーズブルワリー |
おすすめビール第6位はこちらもオーストラリアを代表するブランドのひとつ、トゥーイーズシリーズから、そのフラグシップ製品、トゥーイーズニューです。トゥーイーズブランドの中でも新しめ*の製品のため「ニュー」という名前が付けられており、その昔はトゥーイーズオールドという製品も存在しましたが残念ながら廃版となりました。
*とはいえ1931年の発売開始
このビールはオーストラリア全土でも2024年の売り上げランキングでも常に10位以内に入るほど*有名なのですがさらには醸造所の存在するニューサウスウェールズ州、特にシドニー周辺では絶大な人気を誇り、上記ランキング2位のXXXXゴールドがクイーンズランド州を代表するビールとすると、このトゥーイーズニューはニューサウスウェールズ州を代表するビールと言って間違いありません。
*色々なランキングがあるので一概に正確な順位は言いにくいが常に10位以内は間違いない模様
基本的には大手メーカーが造る大量生産品と思いがちですがこちらもオーストラリアの良さが存分に生かされている下面発酵のラガースタイル。ワイルドな麦芽の味、その裏に隠れる麦本来の甘さ、抑えた苦みにドライフィニッシュ。大変バランスがよく飲みやすい。ノド越しでガブガブ飲めちゃうガブ飲み系。本当に上記XXXXゴールドといい勝負です。まさにニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州の戦い!でもどちらもそれぞれの良さがあります。
詳しくはトゥーイーズ ニューのページへ!
第7位 リトルクリーチャーズ ペールエール
総合評価
4.67
リトルクリーチャーズ ペールエール(Little Creatures PALE ALE)

味わい | 最高に華やかで複雑 | アルコール度数 | 5.2% |
スタイル | ペールエール | メーカー | メーカーはライオン 醸造所はリトルクリーチャーズブルワリー |
おすすめビール第7位はオーストラリアNo.1と言っても過言でもないクラフトブルワリー、リトルクリーチャーズが放つフラグシップ、リトルクリーチャーズ ペールエールとなります。
本ブルワリーは2010年にオーストラリアの西海岸で操業開始とオーストラリアビールの歴史としては非常に浅いものとなります。しかし驚くほど巧みに造られた作品群はあっという間にオーストラリア全土へ知れ渡り、まだ知名度の低かった「クラフトブルワリー」という認知度を一気に高める存在となりました。
現在は大手ライオンに買収されてしまっておりクラフトブルワリーというよりは大手ビールの傘下という認知になってしまいましたが、それでも味わいは当時のまま。公式自ら「私たちはペールエールを造るために生まれてきた。(We were born to make Pale Ale)」という、クラフトブルワリーが作る本当にうまいビールのランクインとなります。
麦芽がどうの、ホップの種類がああだこうだ、など多くのこだわりがありますがそれは個別のページを参考いただくとして、とにかくすごいのは複雑かつ絶妙なバランスのにより多方向から口の中を襲うその味わいです。飲むごとに新たな味の発見がありあっという間に飲み干してしまいたくなるところをぐっとこらえ、何とかゆっくり飲み、やや温度が高めになったところで再度口へ含めば香りとともにとんでもない華の広がりに驚くことでしょう。
何としても飲んでいただきたいです!
詳しくはリトルクリーチャーズ ペールエールのページへ!
第8位 バルター XPA (エックス・ピー・エー)
総合評価
4.65
バルターXPA(エックス・ピー・エー)

味わい | 柑橘ドカンのホッピー爆弾 | アルコール度数 | 5.0% |
スタイル | XPA | メーカー | バルターブルーイングカンパニー |
ゴールドコーストに拠点を置くバルター、とんでもない勢いを見せる超有名クラフトブルワリーが放つ代表作「XPA(エクストラペールエール)」。第8位にランクイン!
これがまぁ、うまいのなんのって。ビール好きな人なら一口でわかるでしょう。「あ、これ、やってんな」と。日本ではあまり見ないXPAスタイルですが、ざっくり言えばIPAほど重くない、けどホップのアロマと苦味はしっかり、という絶妙なライン。
このビールの最大の特徴はズバリ香りが圧巻なところでしょう。
まるで搾りたてのグレープフルーツやライムを鼻先で潰したようなフレッシュ感。味わいは意外と軽やかで、ぐいぐい飲めるけど飲みごたえもある。「これぞモダンクラフト」と叫びたくなるような完成度。ホップの使い方が繊細かつ攻めていて、ビール好きな人間ほどニヤつくタイプです。
ちなみにこのビール、元プロサーファーたちが立ち上げたブルワリーで、ラベルもどこかスポーティでスタイリッシュ。しかも最近ではオーストラリア国内の様々なビアアワードで受賞歴を重ねており、名実ともに“国民的クラフト”の仲間入りを果たしつつあります。飲むほどにクセになる中毒性。これはまさにXPAの完成形!
詳しくはバルターXPAのページへ!
第9位 クーパーズベストエクストラスタウト
総合評価
4.60
クーパーズベストエクストラスタウト(Coopers Best Extra Stout)

味わい | 超複雑で飲みやすいスタウト | アルコール度数 | 6.3% |
スタイル | スタウト | メーカー | クーパーズブルワリー |
おすすめビール第9位はクーパーズブルワリーから2回目のランクイン。しかし本ランキング内では初のスタウトとなります。クーパーズがお送りするベストでエクストラなスタウト、その名もクーパーズベストエクストラスタウト。
オーストラリアのビールにももちろん様々なスタウトが販売されております。しかし味わいと入手のしやすさを考慮すると本製品以外はもはや考えることはできません。オーストラリア国内でもスタウトの中で本製品の人気は極めて高いところにあります。事実、こちらは本当にウマいと評され味わいだけでいえば本ランキングでも1位、2位に来てもおかしくない。それくらい素晴らしい出来栄えです。
深入りローストのブラックモルトの上面発酵が織りなすコーヒー、キャラメル、ダークチョコ、バニラアイス、ドライフルーツ等の超複雑な香り、味わいに加え6.3%の高アルコール、しかしキツさを感じさせずさっぱりと仕上げた、まさにノンストップで止まらない飲み口を実現。
一言で本製品を表現するとこんな感じです。
もはやこれ以上の説明はいらないのかもしれません!飲め!以上だ!
このビールも日本にいながら入手可能となりました。素晴らしい時代。是非お試しを!
詳しくはクーパーズベストエクストラスタウトのページへ!
第10位 ジェームズスクワイア ワンフィフティラッシュ ペールエール
総合評価
4.58
ジェームズスクワイア ワンフィフティラッシュ ペールエール( James Squire ONE FIFTY LASHES PALE ALE)

味わい | すっきりかつモルト感 | アルコール度数 | 4.2% |
スタイル | ペールエール | メーカー | メーカーはライオン 醸造所はモルトショベルブルワリー |
おすすめビール第10位。こちらもオーストラリアを代表するクラフトブルワリーの一つ、生ける伝説のブルワー、チャールズ(チャック)ハーン博士が立ち上げたモルトショベルブルワリーからジェームズスクワイア ワンフィフティラッシュ ペールエールです。
「ハーン博士」、「モルトショベルブルワリーという名前」、「本ビール製品の名前由来」、などなどこの手の話は話始めるととても長くなってしまうのがブルワリー及びそれらが作り出す作品たちでございますので、その辺りはモルトショベルブルワリーのページに譲るといたしましょう。
さてこの10位と上にある7位、大手のペールエールが2品含まれる結果となりました。7位のリトルクリーチャーズペールエールが複雑で非常にホッピーなビールとすると、こちらはストレートな味わいかつ落ち着いたモルティーと言うことができ、どちらかというと対局な味わいを見せます。いや、もちろんペールエールならでわのホッピー加減はあります。実際、素材にもアマリロ、ウィラメット、ネルソンソーヴィン、ギャラクシなどのホップが使用されていますし飲み始めのフルーティネス、これも見逃せません。しかし飲んでみるとわかるのですが後から来るやさしい麦芽感、パンやビスケットをどこか思わせる穀物感、これらの統一加減がモルティーと感じさせてくれるのです。
これらの柔らかな口当たりが、あなた全体をやさし~くそしてギュっと包み込み、日頃ストレスに追われて擦り切れた心を癒してくれる本当にやさしい存在。
こんなビール飲んだことありますかっ?!
いいから早く飲んでください!私からは以上です。
詳しくはジェームズスクワイア ワンフィフティラッシュ ペールエールのページへ!
第11位 グレートノーザンブルーイング コー オリジナル
総合評価
4.52
グレートノーザンブルーイング コー オリジナル(Great Northern Brewing Co. Original)

味わい | 超定番ラガー | アルコール度数 | 4.2% |
スタイル | ラガー | メーカー | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ |
おすすめビール第11位、あー、これ来ちゃいましたね。これ。。11位ですね。。今回のランキングでは以前より順位を落としてしまいましたが、これ。。いっちゃいますかねー。
とのっけからやややる気が見られない紹介。
はい。このビールは2022年にオーストラリアのド定番VBや、XXXXゴールドを抜き、新たにオーストラリアビール全製品の頂点に君臨、売り上げ1位を取得する事となった製品です。この紹介ページでランクインするのも当たり前と言えば当たりまえ。しかしこれVBと同じメーカーから出てますし、なんなら対抗メーカーの定番品XXXXゴールドを打ち破るためにむりくり打ち出した感が若干あるんですよね。そこがあまり好きになれない品なんです。
しかしこれは個人の好き嫌いで語ってよい問題ではありません。正しく評価をするべきでしっかりご紹介していきます。
とやる気を取り直して簡単に言えば上記のような位置づけなのですが、実はかつてクイーンズランド州に存在した「ケアンズ・ドラフト」と呼ばれるビールのリバイバル的な位置づけとして販売。XXXXゴールドに迫る軽い飲み口、さっぱり感、これにフルーティな後味が大変心地よく、チクショー、大手のなんてことないビールのはずなのに、やっぱりうめーじゃねぇかぁ~。となってしまうんです。
こちらは味わいどうのというよりやはりゴッキュンゴッキュンと次から次へとホイホイ流し込むそんなガブ飲みビール。と思いきや、それにしては少しもったいないくらい本当に透き通たラガーです。
詳しくはグレートノーザンブルーイング コー オリジナルのページへ!
第12位 マウンテンカルチャー ステータスクオ ペールエール
総合評価
4.49
マウンテンカルチャー ステータスクオ・ペールエール(Mountain Culture Status Quo Pale Ale)

味わい | まるでトロピカルフルーツ | アルコール度数 | 5.2% |
スタイル | ニューイングランド・ペールエール | メーカー | マウンテンカルチャー ビアカンパニー |
おすすめビール第12位のこちらは「これがペールエール?」と疑いたくなるほどにジューシーで、そしてモダン。ニューサウスウェールズ州のブルーマウンテンズから突如現れたクラフトビール界のヒーロー、マウンテンカルチャーが誇る今ではすでに定番と言えるペールエール、それがこのステータスクオです。
スタイル的にはヘイジー(濁り系)ペールエールで公式では「ニューイングランド・ペールエール」と呼ばれている。見た目はまるで果実感の強いスムージー。泡まで柔らかいのです。
アロマはパイナップル、メロン、ピーチ。フルーツの盛り合わせを嗅いでるかのような贅沢感。そして口に含めば、ミルキーとも思えるような舌触りと一体化したホップの苦味と甘み。もうこの時点で「クラフトってこういうことだよな」と納得させられます。
今後クラフトの本流になっていきそうなビール像がここにあります。ビール初心者にも、どっぷりな人にも刺さる、そんな“今の空気”を詰めた恐るべし一本。
詳しくはマウンテンカルチャー ステータスクオ・ペールエールのページへ!
第13位 ハーンスーパードライ
総合評価
4.48
ハーンスーパードライ(Hahn Super Dry)

味わい | 極められたドライ感 | アルコール度数 | 4.6% |
スタイル | ラガー | メーカー | メーカーはライオン 醸造所はトゥーイーズブルワリー |
オーストラリアに「ドライビール」というカテゴリを根付かせた歴史的名品、それがハーンスーパードライ。1990年代からオーストラリアビールの新しい流れを作った先駆者的存在であり、今や定番の地位をがっちりキープしています。2023年版では12位でしたが、今回は一歩引いた13位にランクイン。それでもこのビールの完成度には一切の陰りなし。
その味わいは、とことんまでドライ。キレのある喉ごしに、雑味を感じさせないクリアなボディ。IPAやペールエールのような濃厚なホップ感に疲れた喉を、スッと癒してくれる存在です。「味がない」と感じる人もいるかもしれませんが、むしろこれは“味を削ぎ落とした美学”。そう、引き算のビールとでもいいましょうか。
真夏のビーチで、BBQの最中に、サウナ後の一杯に……その場に「ちょうどいい」のがこのビールの真骨頂です。
意外とアルコール度数は4.6%と高めで、飲みごたえはしっかり。ライトだけど薄すぎない、ちょうどいいバランス感覚も魅力のひとつです。
そして、意外とスタイリッシュなボトルデザインも見逃せないポイント。どこか都会的でスマートな印象を与えてくれるので、見た目にもこだわる方にはうれしい選択肢となるでしょう。
詳しくはハーンスーパードライ(Hahn Super Dry)のページへ!
第14位 ピュアブロンド ウルトラ ローカーボ ラガー
総合評価
4.45
ピュアブロンド ウルトラ ローカーボ ラガー (PURE BLONDE ULTRA LOW CARB LAGER)

味わい | 軽い飲み口さっぱり系 | アルコール度数 | 4.2% |
スタイル | ラガー | メーカー | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ |
おすすめビール第14位。こちらもなぁ~ランキングに入っちゃったかぁ~という製品。ローカーボ系のビールは果たしてオージー*に受けるのでしょうか。受けるのでしょう。何せ、ピュアブロンドの発売開始は2004年とかれこれ20年近くも前なのに、2022年で売り上げトップ10に入る製品。もはやローカーボ系のド定番としてオーストラリア国内で認知されているわけです。
*オーストラリア人の事を親しみを込めて呼んだ愛称。オーストラリア人自身も自分たちの事をオージーと呼びます
ローカーボ、カロリーオフと言えば、ともすれば味わいが薄くなりがちで素材も適当でシャビシャビなものが出来上がってくるのではという印象があるかもしれません。しかし本ピュアブロンドにおいてはそんなことは決して無く、素材も最上級のものを選択とこだわりを見せたとのこと。
実際飲んでみるとアルコール度数の低さも手伝って軽い印象であることは間違いないのですが、それでも麦芽の香りは柔らかにかに感じられホップの香り、やさしいハーブ系アロマが分かるほどです。おやおや、という印象のもとすいすいと流れるように飲み続ければなるほど、本製品がいかにピュアなビールであるかを思い知ることでしょう。20年間の歴史が築いてきたオージー定番品の1つであることは伊達ではありません。
真夏の暑い時期、昼間から一杯、食事をメインにビールはサブに、このようなオケージョンには間違いなくパーフェクトビァ・フォー・ユーであること間違いなし。
詳しくはピュアブロンド ウルトラ ローカーボ ラガーのページへ!
第15位 カールトンドライ
総合評価
4.39
カールトンドライ(Carlton Dry)

味わい | 見事なまでの辛口 | アルコール度数 | 4.5% |
スタイル | ラガー | メーカー | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ |
2023年版では堂々の第5位だったカールトンドライ。しかし2025年版では、クラフト勢の台頭もあり、今回はあえての15位に配置しました。とはいえ、この順位は「終わったビール」という意味ではまったくありません。むしろ、“毎日飲むならやっぱりコレ”というファンは根強く、変わらぬ実力を誇るドライビールの代表格です。
このビールの魅力は、なんといってもその“潔さ”にあるでしょう。
華やかなホップ香や甘みとは無縁で、ただただ軽やかに、まっすぐ喉を潤してくれます。ビールに香りや複雑さを求める方にはやや物足りないかもしれませんが、「余計なものはいらない、ただキレと爽快感が欲しい」という時にはこれ以上ない選択肢。ほんのり感じる鉄っぽさと麦芽の芯も、このビールの個性としてしっかり活きています。
実際、オーストラリア国内の多くのバーやパブでは、今なお定番としてラインナップされており、その安定した味わいは誰にでも受け入れられる安心感があります。どんな料理にも合わせやすく、特に肉料理や揚げ物との相性は抜群。迷ったらとりあえずコレ、という存在として常備しておく価値ありです。
詳しくはカールトンドライのページへ!
オーストラリアのお勧めビールランキング 総評
「オーストラリアビールガイド」独自の指標でオーストラリアビールのランキングをご紹介。
今回のランキングは、2023年版から2年の時を経て、大きくアップデートを行いました。最大の違いは、クラフトビールの存在感がより一層強くなったこと。全国的にクラフトビール人気が高まり、ローカルブルワリーが定番化しつつある今、さすがに無視はできませんでした。その中でも「バルターXPA」「ストーン&ウッド パシフィックエール」「ステータスクオ ペールエール」といった実力派がランクインし、ランキング全体に新しい風が吹き込まれたように思います。
とはいえ、定番の大手ビールたちも依然として強い! ビクトリアビターやXXXXゴールド、クーパーズスパークリングなど、日本ではあまり知られていないものの、現地では圧倒的な存在感を放つビールたちはやはり外せません。何気ないパブのカウンターや、BBQの現場で「いつもの」ように飲まれている姿こそが、ビールとしての完成形のひとつなのかもしれません。
今回のランキングは「観光客・初心者向け」に焦点を当てた構成になっていますが、ビール好きの方が読んでもきっと楽しめるはず。銘柄によって味わいや個性もさまざまなので、自分のお気に入りを見つけて、ぜひ現地で飲み比べてみてください!
それでは、皆さまのオーストラリアビール旅が、美味しくて、楽しくて、ちょっぴり酔えるものになりますように。
本ランキングで紹介できなかった素晴らしいブルワリーやシリーズたち
今回のランキングでは、残念ながら枠の都合上、どうしてもご紹介しきれなかった銘柄たちがいくつかあります。
どれもオーストラリアビールの歴史や文化に欠かせない存在であり、機会があればぜひ一度味わっていただきたいラインナップです。
カスケードブルワリーおよびそのブランド(Cascade Series)
現存するブルワリーとしてはオーストラリア最古を誇る名門。
タスマニアの美しい自然と伝統の製法が融合したクラシカルな味わいは、一度は体験しておきたい。
カールトンドラフト(Carlton Draught)
今回はカールトンドライに代表枠を譲る形となりましたが、こちらも言わずと知れた定番ラガー。
オーストラリアのパブのカウンターに立てば、必ずと言っていいほどこのラベルを目にするでしょう。
エミューエクスポート(Emu Export)
スワンブルワリーが造るもう一つの人気銘柄。西オーストラリア州では圧倒的な知名度を誇るローカルヒーローです。
“エスキー(クーラーボックス)に入ってないと落ち着かない”という人も多いとか。
フォスターズラガー(Foster’s Lager)
世界的なブランドとしての知名度は圧倒的。
味わいについては議論もありますが、これを外してオーストラリアビールを語ることなかれ。文化です、これは。
ジェームズボーグズ プレミアムラガー(James Boag’s Premium Lager)
繊細な飲み口でファンも多いタスマニアの名ビール。今回は泣く泣くランク外に……。
洗練されたボトルデザインも含めて、まさに“静かに語りかけてくるビール”。
レッドバック(Redback)
かつて“オーストラリアのヴァイツェン”として注目を集めた個性派。
バナナ香とスパイスの香りがふわっと広がる、まさに通好みの一本です。
スワンドラフト(Swan Draught)
西オーストラリア州民の誇り。パース周辺で飲むなら一度は口にしたい銘柄。
大衆的で素朴な味わいが、逆にクセになります。
今回のランキングはあくまで「これからオーストラリアビールを楽しむ人へのガイド」として構成しましたが、こうした“番外編”にもぜひ目を向けてみてください。
いずれ別枠で、「通好みの地ビール特集」や「ローカル限定ビール探訪」なども企画してみたいと思っています。お楽しみに!