1パイントの量は国によって異なります。イギリスでは568mL、アメリカでは473mLが一般的です。
そして日本国内で「1パイント」と表記されている場合は、ほとんどがイギリス式の568mLを指しています。
この記事では、イギリス・アメリカ・オーストラリアにおけるパイントの違いと、日本での使われ方について詳しく解説します。
1パイントは何mL?【結論】
- 1イギリスの1パイント(UKパイント)=568mL
- アメリカの1パイント(USパイント)=473mL
- 日本で「1パイント」と表記されている場合は、ほぼUK式=568mL
つまり、日本や英国風パブで提供される「1パイントのビール」は ほぼ570mL前後 と考えて問題ありません。
1パイントのビールの量は何mL?
1パイントの量は国によって異なります。
- イギリスでの1パイント:568mL
- アメリカでの1パイント:473mL
最初に覚えておきたいのは、日本国内のバーやパブで「1パイント」と書かれている場合、ほとんどがイギリス式=568mLであるという点です。
アメリカ式の473mLをそのまま「1パイント」として提供している店舗は、日本にはほぼ存在していません。
英国風パブ「HUB」等で提供される1パイントビールのは568ml
日本で「1パイント」というサイズを一般的に広めた大きな存在が、英国風パブ HUB(ハブ) です。
HUBは1980年創業以来、日本に英国風パブ文化を根付かせ、パイントサイズを広めました。
HUBで採用されているのはもちろん UKパイント=568mL。
この量は日本の「生大(633mL)」よりやや少なく、「生中(500mL)」よりは少し多い、中間的なサイズ感です。
そのため、日本では「パイント=568mL」という認識が定着しました。

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パイントとオンス(oz)の関係
イギリス以外について、アメリカでの利用や、その他に国について説明する前にまずは本項目、ヤード・ポンド法で使われる液量及び、パイントとオンスの関係について説明いたします。
ヤード・ポンド法はイギリスやアメリカで利用される単位系の事で、主に認知の高いものとして、「インチ」、「フィート」、「ポンド」、「マイル」、「ガロン」、「オンス」、「パイント」などが有名です。
ビール等アルコール飲料で利用される単位はオンス及びパイントとなります。オンスには重さを表すものと、液量を表すものの2種類存在しており、重さを表すものは単に「オンス」と表記しその記号は「oz」、また液量を表すものは「液量オンス」と表現し記号は「fl oz」と記載されます。
ビール等のラベル表示の際、液量であることが明確なのでflが省略され、単に「oz」と表記されていることもあります。また日本語の口語では液量であっても単に「オンス」と表現することもあります。
この液量オンスはイギリスとアメリカでは量が異なったものとなっており、それぞれ以下のようになります。
- 1英液量オンス = 28.41 mL
- 1米液量オンス = 29.57 mL
そして1パイントの量は
- イギリス: 1パイント = 20英液量オンス = 568 mL
- アメリカ:1パイント = 16米液量オンス = 473 mL
と定められています。
なぜアメリカとイギリスで1液量オンスの量が異なり、また1パイントの量が異なるのかは当サイトでの紹介は割愛いたしますが、歴史的背景を適当に調べていただくとお分かりいただけることでしょう。
アメリカにおけるパイント文化
さて上記にて、日本でパイントと表記を見る際の量は「568mL」で問題ないと記載しています。
それではなぜ日本国内においてアメリカパイント、473mLは利用されないのか。
その前にまず、本場アメリカ国内におけるパイントの取り扱いについて説明いたしましょう。
まずアメリカ国内でのビールの提供については米液量オンスで24oz、22oz、20oz、18oz、16oz、14oz、12ozなど非常に多様です。それでも、最も一般的になっているのはやはり16oz(米1パイント)の473mLとなります。
レストランやバーでのビールはワンサイズであることも多く、多くの人々は単に「バドワイザーを1つください。」といったオーダー方法をとり、この際もしグラスサイズが複数あれば「サイズはどうしますか?」と聞き返されるか、又は最初から「ハイネケンを20ozで1つください。」というように、メニューにサイズ表記があればそれを指定してオーダーしたりします。
パイントという言葉はあまり利用されていませんが、特にバーで「ビールを1パイントください。」とオーダーした際には、その店に16ozグラスの取り扱いがあればまず何の違和感もなくサーブされることでしょう。
面白いのは、アメリカ国内のアイリッシュパブ、ブリティッシュパブ*でビールを1パイントで提供していても、それはアメリカ1パイントであるお店が普通に存在しているという事です。またもちろん、英パイントを提供するお店もあります。そもそも自分たちが世界の中心と思っているふしさえある国であえて、イギリス系に合わせるようという気は持ち合わせいないのかもしれませんね。
またドリンクメニューにはその量が記載されていることがしばしばあるりますが、これらはほとんどオンス表記となっています。
(液量オンスではなく単に「バドワイザー $5.00 (16oz)」のように表記されている)
と、ここまでがアメリカ国内の一般的な状況となります。
*アメリカでは「パブ」という言い方は一般的ではなく「バー」が利用される。ブリティッシュパブなどはイギリス系の表記をそのまま借用し「British Pub」などと呼ばれることも多い。
さて、冒頭の「日本国内においてアメリカパイントはほとんど利用されない」に話を戻します。
上記のようにアメリカでさえも積極的にパイントを利用していないが故に、あえて日本国内のアメリカ系レストランで量も紛らわしい1パイントを利用することが極めて少ないと考える事ができます。いやもしかしたら全く無いかもしれません。ちなみに、日本国内のアメリカをテーマとしているレストラン等での提供状況を調査してみたところ、これまで「1パイント」でビールを提供しているところを見つけることはできませんでした。(ご存じの方は是非おしえてください)
以上のことから、日本国内で1パイントの量と言えばまず「568mL」の事を指していると言って問題ありません。
ちなみに、イギリスでは1パイントグラスでのオーダーが国中で根付き、浸透しています。
またこのイギリスパイントを採用している国に、カナダ、アイルランドなどのコモンウェルスカントリーがございます。
Pint(パイント)の読み方と発音
「Pint」は日本語では パイント と読みます。
英語発音では「パ」に強めのアクセントがあり、最後の「t」は弱めに発音されるため、耳には「パイン」と聞こえることもあります。
日本語で「ピント」や「パイン」と読んでしまうのは誤りです。
正しくは「パイント」と読み、英語でもその発音で問題なく通じます。
3/4パイントの読み方とオーダー方法
さて続けて「3/4パイント 読み方」について詳しく解説します。
日本国内の英国風パブ(ハブ(HUB)など)では、以下のサイズが提供されています。
- 1 Pint(ワンパイント=568mL)
- 1/2 Pint(ハーフパイント=284mL)
- 3/4 Pint(スリークォーターズパイント=約426mL)
読み方の例
- 日本語で「四分の三パイント」
- 英語で「スリークォーターズパイント」
- 省略して(または誤って)「スリークォーターパイント」でも理解してくれます
注文例
- 「ハブエールを四分の三パイントでお願いします」
- “Can I have a three-quarters pint of Hub Ale, please?”
HUBのように外国人客も多いお店では、英語での表現も問題なく通じますし、日本語で「四分の三パイント」と伝えてもスタッフに理解されます。
オーストラリアにおける1パイント
さて、当サイトはオーストラリアのビールを手今にしています。
というわけで、もちろんオーストラリアにおける1パイントの量について触れておきましょう。
ご想像の通りですが、オーストラリアはイギリス連邦、コモンウェルスの1つの国であり、またオーストラリアの歴史はイギリス人の入植から始まったこともあり、使われるヤード・ポンド法の単位は英国式が採用されています。*
そのためオーストラリアでも基本的に UK式=568mL が標準となります。
ほぼすべてのパブで1パイントグラスを取り扱っているため
「Can I have a pint of VB, please?(VBをパイントグラスで1つください)」とオーダーすればもはや立派なオージーの仲間入りとなります!
と、言いたいところだがオーストラリアは若干事情が異なります。
オーストラリアでは、地域により同じグラスサイズの呼び方でも、その内容量が異なります。
そのため、南オーストラリア州のみ425mLを「パイント」と呼ぶ例外が存在しています。またこの場合、568mLは「インペリアルパイント」と呼び分けられています。
詳しくは下の「関連記事」にもある通りビールグラスのサイズのページを参考にしてください。
また一般的なパイントグラスについてもまとめたページある為参考にどうぞ。
*もちろん国内のすべての単位は通常メートル法で示される
まとめ:日本での1パイント
- 日本で「1パイント」と書かれている場合=568mL(UKパイント)
- HUBの影響により、日本ではUKパイントが標準
- アメリカ式は473mLだが、日本国内ではほぼ使われない
- オーストラリアは基本UK式だが、一部地域に例外あり
迷ったら 「日本=568mL」 と覚えておけば安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. 1パイントは何mLですか?
A. イギリス=568mL、アメリカ=473mL、日本ではほぼUK式=568mLです。
Q. 日本のパブで「1パイント」と言えばどれ?
A. ほとんどの場合、UKパイント=568mLを指します。
Q. ハブ(HUB)のパイントグラスは?
A.ハブ(HUB)ではUKパイント=568mLが採用されています。
Q. 3/4パイントの正しい読み方は?
A. 日本語では「四分の三パイント」、英語では「スリークォーターズパイント」です。注文時にはどちらでも通じます。