クリスピーの意味とは
アルコールの味わい表現の1つに「クリスプ」や「クリスピー」という言葉があるがまずは一般的な意味から紹介したい。
クリスピー/クリスプ の意味
クリスピー、クリスプという意味はそれぞれ英単語のcrispy(クリスピー)、crisp(クリスプ)から来る言葉である。一般的には食べ物や飲み物の味、テクスチャーを表現する際に使用されることが多く、ポテトチップスなどの「パリパリ」とした感じや、唐揚げが「カリッとした」ことを指す。これらの言葉は、食べ物の食感が軽くて砕けやすい、またはシャキシャキした感じを持つことを示している。
crispy、crispは主に形容詞として利用されるが、crispには形容詞以外に動詞、名詞の意味も持つ。(crispyには形容詞の意味しか存在していない。)
形容詞としての単語の意味は以下のような感じだ。
Crispy
・〈食物が〉パリパリ[カリカリ]する.
・やさしくてもろい
Crisp
・〈食物が〉パリパリ[カリカリ]する.
・〈野菜・果物などが〉新鮮な.
・〈紙などが〉バリバリ音がする.
・〈空気・天気などが〉身の引き締まる、さわやかな、すがすがしい.
などがある。(crispの形容詞以外の意味はご自分で調べてみてほしい)
上記形容詞的な表現のみで言えば、英語のネイティブスピーカーでさえ「どちらの単語も同じように入れ替えて使える。」と言う人もいれば、「特定の表現はどちらかの単語を好んで利用される。」という方もいる。
英語の表現では一般的に「クリスプ」が利用されることが多いが、一方、日本語としては「クリスピー」の方がなじみがある。アルコール飲料の日本語表現では「クリスプ」、「クリスピー」どちらも利用される。
(ちなみに本サイト内では「クリスプ」と言う表現が多い。)
アルコール飲料におけるクリスプ/クリスピーの意味
さて、クリスプ(時にクリスピー)がアルコール飲料についての表現をする場合、主に以下の3つのように利用されることが多い。
1.軽快な口当たり:
口当たりが軽やかでなめらかなアルコール飲料。飲んだ後に口の中に爽やかな感覚を残すことを表現する。すっきりとして雑味がない、軽快なマウスフィールですいすいと飲み進めることができる。
ビールの表現では比較的軽めのもの、オーストラリアでは特にミッドストレングスや、フルストレングスでもラガースタイルにおいてこう表現されることが多い。
2.さわやかな酸味:
クリスプなアルコール飲料は、一般的に酸味を含んでいるものが多い。これは、フルーティーで明るい味わいを持ち、口の中で爽やかな印象を与えることから用いられるようになった表現だ。例えば、クリスプなワインやシードル(リンゴのお酒)は、この特性を持つことがある。
ビールの場合、「酸味」は時々嫌な味わいとして用いられることがある。しかしIPAやペールエールなどのフルーティーなスタイルの場合にはポジティブな酸味表現として利用してもよいと思われる。
3.清涼感:
飲んだ後の清涼感を表すためにも「クリスプ」は利用される。特に発泡系のアルコール飲料で好んで用いられる。
オーストラリアのクリスプなビール
さてではオーストラリア国内でクリスプなビールはどういったものがあるかを紹介したい。
まず真っ先に挙げられるのが以下2製品となる。
いずれもオーストラリアを代表するブランド銘柄でそれらが製品名にまで「クリスプ」と名付けているほどのクリスプっぷりである。
1.は2022年にオーストラリアでシェアNo.1を獲得したブランド「グレートノーザン」のミッドストレング版。
2.はオーストラリアを代表するクラフトブルワリー、ストーン&ウッド(現在はビール大手シェアNo.2のライオン(Lion)によって買収されている)の1製品だ。
そのほか製品名にはクリスプと名前はつかないものの、クリスプな銘柄を以下に紹介していこう。
- XXXXドライ (オーストラリアで高いシェアを持つXXXX(フォーエックス)シリーズのドライ製品。)
- クーパーズ オーストラリアン ラガー(豪ビール大手シェアNo.3のメーカー、クーパーズが打ち出すオーストラリアンスタイルのラガー製品。)
- グレートノーザンブルーイング オリジナル(上記「グレートノーザンブルーイング スーパークリスプ」のラガー版。こちらもよくクリスプと表現される。)
- レシャス ピルスナー(ニューサウスウェールズ州のマニアックであるが古いラガー製品。本サイトのイチオシ。)
- トゥーイーズエクストラドライ(ニューサウスウェールズ州トゥーイーズブルワリーが造るドライ製品でオーストラリアビール「ドライ製品」で最も売れている製品の1つ。)
そのほか、皆さまがクリスプと思われるオーストラリアのビールについてはぜひともご意見をいただきたい。