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フォスターズラガー (Foster’s Lager)

フォスターズラガー
  • 1888年に生産が始まったオーストラリアのビールとしては世界で最も売り上げのある製品
  • アサヒグループホールディングスによってライセンスが保有されている
  • オーストラリア国内現地人には見向きもされないビール
目次

基本情報

フォスターズラガー (Foster’s Lager)
フォスターズラガー Sited from https://www.fostersbeer.com/
名称フォスターズラガー(Foster’s Lager )
産地ビクトリア州 メルボルン
ビアスタイルラガー
アルコール度数5.0%
IBU12(公式発表無し)
EBC (SRM)No Data
タイプフルストレングス
醸造所カールトン&ユナイテッドブルワリーズ
Carlton & United Breweries (CUB)(通称「CUB」)

フォスターズラガー 概要説明

フォスターズラガー

フォスターズラガーはオーストラリア最大のビール会社、カールトン&ユナイテッドブルワリーズ(CUB)にて醸造されている、CUBの前身となったフォスターズグループの名を持つビール。ラガーの名が示す通り、下面発酵によるラガータイプのビールだ。

フォスターズラガーは実に世界約150ヶ国以上で販売され、オーストラリアを支えるNo1の商品。また単品の製品では間違いなく世界中でも最も成功している超有名な製品の1つである。
このビールはライセンス供与によって世界中の様々なビールメーカー、ハイネケンやモルソン・クアーズなどを始め、イギリス、EU、ロシア、その他ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、インド等多くの国によって生産されている。イギリスでは特に人気が高く、ビールマーケットシェアの上位にいつも名を連ねる。

フォスターズラガーの歴史

フォスターズラガーの生産開始は1888年だ。

まずは1886年、ウィリアム・M・フォスターとラルフ・R・フォスター、2人のアメリカ人兄弟がニューヨークからメルボルンに到着、1888年にフォスターズブルーイングカンパニーを立ち上げ、フォスターズラガーの生産を開始した。
実際に販売が開始されたのは1889年だ。生産当時はオーストラリア国内、ビクトリア州の限られた地域のみで販売された。彼らは冷蔵技術を使い、当時生ぬるいエールしか飲まれていなかったオーストラリアの市場に、低温醗酵でじっくりと熟成されたラガースタイルのビールを市場に投入したのだ。
考えても見てほしい。肉体労働がまだ盛んで急速な経済発展を迎えようとしている大変暑い国において、これまで生ぬるいビールしか存在しなかったところ、急に「キンッキンに冷えてやがる」ビールが登場したのである。
魔法のように乾いたノドを潤す非常に冷えたラガーは瞬時に爆発的な人気を獲得するようになった。

当然この人気はあっという間に全国へと知れわたり、1900年代初頭からはオーストラリア全土で販売が開始され、その後、サモア諸島や南アフリカへ輸出されていった。
しかし1907年、CUBよるフォスターズの買収後は急激にその生産量は落ち込みフォスターズラガーはなんとか細々とその名を残すだけとなってしまった。
(その理由は、フォスターズブルーイングカンパニー買収後の経営戦略の変化、ターゲット顧客層の変更、製品ラインナップの変更等様々なものがあげられる。)

しかしながら1970年代になると次第にイギリスやアメリカへ輸出されるようになり、またスポーツ大会のスポンサーを行うなどマーケティングに大変力を入れる事により、改めて世界中にその名を知らしめることとなった。
1980年代になるとイギリスにフォスターズラガーの醸造所が建設された。 その後フォスターズラガーの生産はライセンス供与により、世界中で販売されていくことになった。
ライセンス供与により多くの国々で生産されるフォスターズラガーであるがアルコール度数は国ごとに異なり、オーストラリア国内では5.0%、日本では4.9%、インド等一部地域では4.0%で販売される。

フォスターズラガーオーストラリア国内での認知について

世界的に「オーストラリアのビール=フォスターズラガー」と思われるほど世界中の成功を収めているフォスターズラガーだが、オーストラリア国内での人気は極めてい低い。オーストラリアの人々にとっては「どちらかと言えば輸出用のビールでしよ?」といった程度認識でしかないのだ。
また、オーストラリアで作られるビールに関して人々が気にすることの1つに、そのブランドの生産地というのがある。詳しくはオーストラリアビールの基礎のページ内「各ビールブランドは地域との結びつきが非常に強い。日本にはない特色だ。」の項目を参考にして頂きたいが、このフォスターズラガーに関してはそんな地域に絡めた話が出ないビールの1つである。
CUBとしてもこの状況を打開すべく2014年にはオーストラリアの酒屋で広く販売する方針を打ち出し、2020年には大々的にフォスターズラガーの再燃を宣伝、オーストラリア国内での製造を前年比300%へ増産した。果たして人気を取り戻したかどうかの答え合わせは10年後にでも行うことにしよう。

深い青色に南十字星、目が痛くなるような赤色で描かれたカンガルー。ゴールドカラーをグルリとまとうそのデザインはインパクト絶大でとても格好良い。
ブルーメタリックを基調とし赤色で描かれたFoster’sの”F”、ゴールドカラーをグルリとまとうそのデザインはインパクト絶大でとても格好良い。

フォスターズラガーの味わい

フォスターズラガー (Foster’s Lager)
フォスターズラガー

味わいはつまらない一般的なラガーかというと決してそうではなく、麦芽の旨味とホップのバランスがとてもよく、また歯切れのよい後味と飲んでいる最中にどことなく香るカラメルやバニラのような甘味がありとても完成度は高い。
強めの炭酸と輪郭のあるしっかりした苦味もある。 若干風味は落ちてしまうもののかなり冷してゴクゴク飲めば喉越し爽快、スッキリシャッキリの清涼感満載。日本人が大好きな飲みやすいラガーであることは間違いない。
世界中で愛されているのもうなずける納得の味わいである。

フォスターズラガーのさらに突っ込んだレビューについては下のブログを参照下さい。
フォスターズラガー紹介のブログ(別ウィンドウ)

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