- オーストラリア国内ビール販売シェア第2位の超大手醸造会社(麦酒市場シェア約40%)
- 親会社は日本のキリンホールディングスで100%子会社となる
- XXXX(フォーエックス)をはじめとする豪ビール有名ブランド多数を保有

ライオン 概要
ライオンはかつてはニュージーランドに、現在はオーストラリアのシドニーに本拠地を置く、アルコール飲料の製造及び販売を行う会社であり、日本の企業、キリンホールディングス(Kirin Holdings Company Limited)の完全子会社である。キリンに買収される以前はライオンネイサンの名前で親しまれた(Lion Nathan)。
ビールやワインを主力製品としその他様々なアルコール製品を取り扱うが、ワイン産業に参入したのは2000年頃からで、オーストラリアや、ニュージーランドを中心とし、その他アジア、ヨーロッパ、北米、南米なと多くの国で事業を展開する。また、ビールの製造から卸し、小売りまでを一括する販売チャネルを持つ。
オーストラリア国内におけるビールのマーケットシェアはカールトン&ユナイテッドブルワリーズ(CARLTON & UNITED BREWERIES)についで第2位で、かつて本拠地があった国、ニュージーランドでは第1位である。ラガー、エール、スタウト、IPAなど製造するビールの種別は多数にのぼり、XXXX(フォーエックス)、Tooheys(トゥーイーズ)やEmu(エミュー)などといった超有名なブランドから、クラフトブルワリーなのに有名になりすぎてしまったがゆえに買収を重ねたブルワリー、リトルクリーチャーズ(Little Creatures)やモルトショベルブルワリー(Malt Shovel Brewery)、またそれほど知られていないものまで非常に多くのビールブランドを取り揃える。

以下ライオンが保有するブランド一覧となる。(2024年現在)
ライオン所有のビールブランド
- カッスルメインパーキンス(Castlemaine Perkins)(メジャーブルワリーの保有)
当ブルワリーはXXXXブランド、シリーズを展開 - トゥーイーズ(Tooheys)(メジャーブルワリーの保有)
- レジェンダリブルーイング コー(Legendary Brewing Co.)(企業ではなくブランドして存在)
アイアンジャック(Iron Jack)シリーズを展開 - ファーフィ(Furphy)(ブランド、ファーフィシリーズの展開)
- リトルクリーチャーズ(Little Creatures)(クラフトブルワリーの保有)
- ハーン(Hahn)(ブランド、ハーンシリーズの展開)
- モルトショベルブルワリー(MALT SHOVEL BREWERY)(クラフトブルワリーの保有)
ジェームススクワイア(James Squire)というブランド、シリーズを展開 - バイロンベイ(BYRON BAY BREWERY)(クラフトブルワリーの保有)
- ジェームズボーグ(JAMES BOAG)(メジャーブルワリーの保有)
*昔の社名をとってジェイボーグ&サン(J. Boag & Son)と記載されることもある
ジェームズボーグズ(James Boag’s)シリーズの展開 - モルトショベルブルワリー(MALT SHOVEL BREWERY)
- ジェームススクワイア(James Squire)(メインのブランド、シリーズ)
- モルトショベルブルワーズ(Malt Shovel Brewers)(モルトショベルブルワリー第2のブランド)
- キリン(KIRIN)(ブランド、シリーズの展開)
- スワン(Swan)(メジャーブルワリーの保有)
- スワン(SWAN)(単品)
- エミュー(EMU)(シリーズ)
*スワン、エミュー単品の詳細はブルワリーとしてのスワン(Swan)のページを参照ください
- サウスオーストラリアンブルーイングカンパニー(South Australian Brewing Company)(メジャーブルワリーの保有)
- ウエストエンド(WEST END)(シリーズ)
- サザーク(Southwark)(シリーズ)
- コジオスコ(Kosciuszko)(クラフトブルワリーの保有)
- ホワイトラビット(White Rabbit)(クラフトブルワリーの保有)
- リトルクリーチャーズの第2のブランドとしての展開
- リトルクリーチャーズの第2のブランドとしての展開
- ユーマンディ(Eumundi)(クラフトブルワリーの保有)
- パンヘッド(Panhead)(クラフトブルワリーの保有)
*本ブルワリーはニュージーランドに存在するブルワリーであるものの、オーストラリアのポートフォリオの中に含まれている。どうやら、オーストラリアでも打ち出して行きたいようだ。詳細確認ののち、本サイト内で紹介を広げていくか決めていく。 - ファーメンタム グループ(Fermentum Group)
- ストーン&ウッド(Stone & Wood)(クラフトブルワリーの保有)
- フィクセイションブルーイングカンパニー(Fixation Brewing Company)(クラフトブルワリーの保有).
- ツーバーズ ブルーイング(Two Birds Brewing)
*ファーメンタム グループは元々ファーメンタムグループという会社が保有するそれぞれ異なるブルワリーを企業ごとLionが買い取り、ブランド化したもの。
ライオンの歴史
ライオンの起源は1840年にまでさかのぼる。ニュージーランドのオークランドにてホブソン ブリッジ ブルワリー(Hobson Bridge Brewery)というビール会社がジョン ローガン キャンプベル(John Logan Campbell)とウィリア ムブラウン(William Brown)という二人の男によって営まれていた。
ホブソンブリッジブルワリーは最終的にドメインブルワリー(Domain Brewery)と名前を変えたのち1898年に別のビール会社、ルイスエーレンフリート(Louis Ehrenfried)によって立ち上げられたアルバートブルワリー(Albert Brewery)と合併。社名をキャンプベルアンドエーレンフリート(Campbell and Ehrenfried)と変更、エーレンフリートの甥、アーサーマイヤーズ(Arthur Myers)が 初代マネージャーとなり指揮をとることとなった。
1900年代初頭より、キャンプベルアンドエーレンフリートはニュージーランドのビール業界を牽引していく企業へと大きく成長していった。
1915年にはニュージーランド、オークランドにある、1860年にリチャード セコム(Richard Seccombe)によってたてられたこちらもまたニュージーランドを代表するブルワリー、グレートノーザンブルワリー(Great Northern Brewery)と合併。 グレートノーザンブルワリーが成功していた1つの理由にブランディングイメージの利用があった。リチャードは家紋に描かれていたライオンから自社ブランドをそのままライオン(Lion)と名付け営業を続けていた。
キャンプベルアンドエーレンフリートもまたこのブランド名をさらにフィーチャーすることを考え、社名を変更した。
新しい社名はグレートノーザンブルワリーからライオンブルワリー(Lion Brewery)へと変えられた。
この頃、アルコール抑制に関する法律、いわゆる禁酒法、を支持する動きが活発化してきた事を受け、各ビールメーカーはもっと個々の発言力の強化が必要だと考えていた。
しかしながらそれぞれ独立したビールメーカーだけではその動きを止める事はむつかしく各社が協力して行うしか方法が無いと考えるようになった。
1923年、同じように考えていた10社集がまり、新たな共同体を形成することでその流れを食い止めようとなった。新たな集まりはニュージーランドブルワリー(New Zealand Brewery)と名付けられ、ニュージーランド国内でのビール産業において支配的な発言力を持つまでになっていった。
キャンプベルアンドエーレンフリートはその後ビール以外の産業にも進出することで着々とその力をつけていったのだった。
その間、会社の指揮はアーサーマイヤーズの息子、ケネス マイヤーズ(Kenneth Myers)に移ったのちに、1965年にはさらにその息子のダグラスマイヤーズ(Douglas Myers)へと変わっていった。この頃には会社の勢力はある程度分散し独立した部門がそれぞれの決定権を持っていたのだが、ケネスとダグラスは共同で再度会社を2人の完全支配下に置くよう活動していった。
またビール以外のアルコール分野にも進出したいと考えていたキャンプベルアンドエーレンフリートは1971年に、ライオンブルワリーと合同でニュージーランドワインズアンドスピリッツ(New Zealand Wines and Spirits)を設立、その株式の50%はマイヤーズ家によって保有されることとなった。
ニュージーランドワインズアンドスピリッツは瞬く間にオーストラリアを含むニュージーランド界隈でその力を発揮。ワインと蒸留酒(スピリッツ)においては生産から販売にいたるまで広くその名をとどろかせることとなった。
そのころにはライオンブルワリーの主要製品のひとつライオンレッド(Lion Red)というビールがニュージーランドでもっとも売られる商品へと成長していった。
ライオンネイサンの誕生
1981年にはダグラスマイヤーズはニュージーランドワインズアンドスピリッツの株式を売却、代わりに20%ものライオンブルワリーの株式を取得、翌82年には最高経営責任者の座につくとともに、社名をライオンコーポレーション(Lion Corporation)へと変更したのだった。
着々とライオンブルワリーの株式取得に力を入れていたダグラスは85年までに約30%の株式取得に成功。その後はまず、ニュージーランド国内でライオンコーポレーションの市場拡大に向けて動き出したのだ。また同じ年にはエルディーネイサンアンドコー(LD Nathan & Co)と合併についての話し合いに乗り出し1988年には合併という名目で買収に成功、新たな企業体はライオンネイサン(Lion Nathan)と名付けられた。この名前はオーストラリア国内で大変に親しまれた。
エルディーネイサンアンドコーはその当時のニュージーランド最大の小売業を営んでおり、合併後のライオンネイサンもその引継ぎにより、2024年現在でもオーストラリア、ニュージーランドで最大の小売業者ウールワース(Woolworths)やその他大手ソフトドリンクメーカー、不動産業などを抱えていたのだがアルコール事業に力をいれるためそれらの事業を切り離していく路線へ変更、1990年までにはアルコールに関わる分野以外についてはほぼ全て売却が終了した。
1990年にはオーストラリアの ボンドコーポレーション(Bond Corporation)によって運営されていたナショナルブルワリー(National Brewery)の株式50%を取得、92年には完全な買収が完了。ナショナルブルワリーが保持するオーストラリア屈指のビールブランド、XXXX(フォーエックス)を製造するカッスルメインパーキンス社(Castlemain Perkins)やトゥーイーズ(Tooheys)ブランドで有名なトゥーイーズ社(当時)、同じくスワン(Swan)ブランドのスワン社(当時)などを手に入れることに成功。ここからライオンネイサンのオーストラリア国内での躍進が始まったのだった。
1992年、アデレードを中心とした南オーストラリア地区で屈指のサウスオーストラリアブルーイングカンパニー(South Australian Brewing Company)を買収。現在でも超有名なビールブランド、ハーン(Hahn)、サザーク(Southwark)、ウェストエンド(West End)などを獲得、勢力拡大を続けていった。
その後、オーストラリア国内だけではなく広く世界に目を向ける必要があると考えたライオンネイサン。まずは中国を中心としたアジアへの進出を果たして行った。
1995年には中国の無錫市にある太湖水ブルワリー(Taihushui Brewery)の株式取得を開始、2000年までに約90%の獲得が終了した。
1998年にはダグラスマイヤーズが引退、同時に日本のキリンビール(現在は「キリンホールディングス」)による45%にのぼる株式取得に合意。新たなCEOにはゴードンケアンズ(Gordon Cairns)が就任した。
キリンビールの参入により地域や工場毎にみられた製品のばらつきが次第になくなりビール製造技術は向上していったのだった。
2000年には本社をオーストラリアのシドニーへ移転、またワイン産業へも進出決定、ワイナリーの買収に乗り出した。
2008年にはオーストラリア清涼飲料水最大手企業、コカコーラアアマティル(Coca-Cola Amatil)へ買収の提案を行うが却下される。
2009年キリンホールディングスによる株式取得に合意し全株式を売却、それと同時にオーストラリアとニュージランドでの上場が廃止された。
同年10月、キリンホールディングスによって立ち上げられたライオンネイサンナショナルフーズ(Lion Nathan National Foods)をライオンネイサンはその子会社として運営されることとなった。
2009年10月、キリンホールディングスがライオン・ネイサンを買収、2007年から所有していたナショナル・フーズ(National Foods)と合併、新たにライオン ネイサン ナショナルフーズ(Lion Nathan National Foods)という社名にて営業を開始、オセアニア地区に於ける多事業を統括する持ち株会社と位置づけ事業を拡大していった。
2011年にライオン ネイサン ナショナルフーズの社名をライオン(Lion)に変更、現在までその名前が利用され続けている。
ライオンはオセアニア地区での持ち株会社的位置づけにあり、2020年以降、オーストラリアのアルコール飲料部門は、正確には、ライオン-ビア スピリッツ&ワイン(Lion-Beer Spirits & Wine Pty Ltd)という企業で登録されている。しかしここに踏み込んでいるウェブサイトや、メディアはほとんど存在しない。当サイトもあくまでオーストラリアのシェアNo2の企業はライオンという形で紹介を続けていく。

