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バルターブルーイングカンパニー

バルターブルーイングカンパニー
Sited from https://matildabay.com/
  • 2016年、クイーンズランド州にてプロサーファーのミック・ファニング、ジョエル・パーキンソンやその仲間たちと共に創業された若きクラフトブルワリー
  • 現在はオーストラリア国内で最も有名なクラフトブルワリーの1つといえるほどの急成長、人気を獲得
  • 2019年にアサヒホールディングズによって買収、保有された
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バルターブルーイングカンパニー(Balter Brewing Company)概要

バルターブルーイングカンパニー(Balter Brewing Company)
バルターブルーイングカンパニー Sited from https://www.balter.com.au/welovegoodbeer

バルターブルーイングカンパニー(Balter Brewing Company)は2016年、クイーンズランド州のカランビン(Currumbin)にて、オーストラリアの名だたるサーファーや投資家等複数の仲間たちによって立ち上げられたクラフトブルワリー。

創業から瞬く間にオーストラリア全土で人気を獲得したかと思えば、その後、豪州内クラフトブルワリーランキングでも幾度となくナンバーワンに選ばれ、2024年現在においてもオーストラリア国内クラフトブルワリートップ10に常に名前が入る最も熱いクラフトブルワリーの1つとして注目が続いている。
本、ブルワリーはX(旧Twitter)やインスタグラムのみならず、TikTok、Youtube、Facebook、LinkedIn等SNSをフル活用。華やかなイメージのマーケティングを打ち出すとともに、パステルカラーのシンプルな缶のデザインにスマイルを思わせるバルターのマークを印象付けている。

ブルワリーの実力としては世界最大級といわれるオーストラリアン・インターナショナル・ビア・アワード(Australian International Beer Awards)にて初年度から賞を獲得、その後は毎年アワードに名を連ねる常連の仲間入りを果たす等、成果の面でもしっかりと結果を残し続けてきた。

元々はオーストラリアのプロサーファーでワールドサーフリーグ等でチャンピョンの経験もあるミック・ファニング(Mick Fanning)、同じくプロサーファーのジョエル・パーキンソン(Joel Parkinson)、ジョッシュ・カー(Josh Kerr)、ビード・ダービッジ(Bede Durbidge)らがオーストラリアのゴールドコーストでいつか醸造所を開きたいという長年の夢から始まった。
ここにオーストラリアのサーファーブランドを始め、ビラボン始め大手企業でブランディングに携わったスターリング・ハウランド(Stirling Howland)や、創業当時のCEOを務めたアント・マクドナルド(Ant Macdonald)、ショーン・ローナン(Sean Ronan)らの協力を得てそれを実現する事となった。
創業間もなくこちらもクラフトブルワリーとしては名高いストーンアンドウッド(Stone&Wood)で醸造家を務めたスコット・ハーグレーブ(Scott Hargrave)がバルターにジョイン、醸造責任者を任された。当初、スコットはサーファー達による単なる売名行為なのではないかとこのブルワリーに懐疑的であった。しかし創業者たちの長期的な事業計画や、醸造所建設の相当な意思と強い意欲によりすぐに本気であることを理解、バルターに加わることを決意した。

バルターのメンバーたちはブルワリー立上げの計画から1年もたたないうちにXPAを筆頭とする最初のビールをリリース。
当初バルターのビールは、厳選された近隣12店舗のみのお店に提供していたがそれらは1日足らずであっという間に売り切れるようになっていった。スコットの醸造技術がとんでもないものであることを改めて証明する瞬間でもあった。
その後は前年比800万豪ドルの売り上げアップを毎年続けていくという急成長を果たした。苦境が続くオーストラリアのビール業界においてまさにサクセスストーリーをおさめていったのである。

バルターのCUBへの売却

このように急成長を果たしたバルターだが2019年にはオーストラリアビールシェアNo1の最大手メーカー、カールトンアンドユナイテッドブルワリーズ(Carlton & United Breweries)(CUB)に売却、現在はCUBのオーナー会社であるアサヒホールディングズによって保有される形となっている。
当初はただうまいビールを造ることだけを考えていたがここまで大きくなってはそういうわけにはいかない。「今後は雇用の安定や生産量の強化、サステナビリティの取入れ等が必要になる。そのためにはCUB等の協力は不可欠だと考えた為だ。」創業者でCEOのアントや、同じく相違業者の1人、ミックはこう語った。
買収契約にはレシピを変更しないことに加え設立者やスタッフの入れ替えも最低5年は実施しないといったことが盛り込まれた。また醸造責任者のスコットはCUBや親会社のアサヒホールディングズが彼の許可なく勝手にビール醸造法に手を加えたり、製造することは無いと明言した。
CUBの買収が吉と出るか凶と出るか、答え合わせは10年後に行うことにしよう。

ちなみにオーストラリア国内におけるバルターの認知は間違いなく「クラフトブルワリー」である。そのためクラフトブルワリーのカテゴリー配下に入れるか悩んだが、現在はCUB配下のため、CUBカテゴリーに含めることとした。

バルターのフィロソフィー

バルター、Balterという単語そのものについてだが、これは動詞として使われ「特別な技術や優雅さはないが、通常は楽しみながら無造作に踊ること。」を意味する。
創業者達は「バルター」を名前や音としての響きだけではなく、何かを愛することによって得られる喜び、感覚、を大切にしたいという思いをそこに込めたと言う。
スポーツのタイトルを獲得した瞬間から単にイケアの棚をくみ上げた時まで、1日の仕事を終え腰を下ろした時。極上のビール、バルターがある。
ビールは単なる飲みものではなく、人々を団結させ、人生最高の瞬間を共にする仲間だから。

そして創業者達は、彼らのフィロソフィーをこう続ける、
「お客様の味覚を第一に考える。美しいビールの缶や、クールな場所で楽しむのは素晴らしい事だが、もしバルターのビールがお客様の舌を喜ばせず、結果みんなを笑顔にできないとすれば、バルターのメンバーは仕事をしたとはいえない。」
並々ならぬ情熱がそこにはあった。

バルターのビール製品

バルターのビール
バルターのビール

バルターは非常に挑戦的なブルワリーで常にシーズンものや新たなビールを打ち出している。しかしその一方で大変定評のある定番ビールが存在している。
以下に主なものを簡単に説明する。詳細は各銘柄のページを参照ください。

BALTER XPA (アルコール度数:5.0% 、 IBU: 30)

創業当時からBALTERの代名詞として存在するペールエールスタイルのビール。フルーティーでトロピカルな味わい。(上写真、左の製品)

BALTER IPA (アルコール度数:6.8% 、 IBU: 72)

オーストラリアが開催する国際ビール品評会の常連入りを果たすIPAスタイルのビール。柑橘系強烈なフレーバー、苦味、森林の感触など、大変個性的なビール。(上写真、真ん中の製品)

BALTER キャプテンセンシブル(Captain Sensible) (アルコール度数:3.5% 、 IBU: 20)

オーストラリアで大人気のミッドストレングスに合わせてきた商品。ミッドストレングス*なのにエールという少々珍しい製品※。洗練されたモルトの香りと快活なホップの香りがバランスよく調和、ミッドストレングスであることを感じさせないふくよかな味わいと口当たりを実現している。(上写真、右の製品)
*オーストラリアでミッドストレングスといえばラガーが多い

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