- クラフトブルワリー:伝統的な製法や技法などを用い丁寧にビールを醸造する小規模なブルワリーの事を言う。大手メーカーのビールに比べ味や香りが強く、独特な製品を生み出すのが特徴。2024年オーストラリア国内には約700のクラフトブルワリーが存在するといわれている。
- クラフトブルワリーで造られるビールをクラフトビールという
- かつてオーストラリアではマイクロブルワリーという表現も一般的だったが現在はクラフトブルワリーと表現されることが多い
クラフトブルワリー概要・歴史
「クラフトブルワリー」という表現は現在日本でも一般的に用いられるようになっており、ビール好きでなくても何となく意味は想像できるものとなっている。
オーストラリアでも同じようなイメージで使われる事が多く、大手メーカーではない小さなビール醸造所、企業、それらを総省してクラフトブルワリーと呼んでおり、そこで醸造されるビールがクラフトビールと呼ばれている。かつてはマイクロブルワリーと表現されることもあったがマイクロブルワリーなのにものすごく有名なところが出てきたり、それが大手に買収されてもはやマイクロな存在ではなくなったりということもあり、現在ではクラフトブルワリーが造るクラフトビールと表現されることが多い。
オーストラリア国内で一番最初に立ち上げられたといわれるクラフトブルワリーはマチルダベイブルーイングカンパニー(MATILDA BAY BREWING COMPANY)である。1984年にひっそりと誕生したのだが現在ではオーストラリア国内では最も有名なクラフトブルワリー(の1つ)として名高い。
2005年にはオーストラリア国内で100社に満たなかったマイクロブルワリー(まだ当時そう呼ばれていた)は2015年には350社へ成長、2024年現在では700社*を超えるといわれている。
*統計によっては600代後半の数だと記すデータもある
現在でこそ世界中でその存在を認められるクラフトブルワリーだがオーストラリア国内でもそれが一般的になるまでは多くの時間がかかった。
1980年代大衆は大衆はみな一様に大手メーカーの造る同一銘柄のラガービールをガブ飲みしていたし、2000年代の初頭であってもメジャーな醸造業界はクラフトビール業界に大変批判的であった。ビール好きが集まってワイワイ小さなビールを造っているそうして相手にしてこなかった。しかしどうだろうこのころから急成長を見せるクラフトビールセグメントを大手メーカーは脅威に感じるようになった。少しづつだがしかし着実にビールファンの心をとらえ、シェアが大手メーカーのそれからクラフトビールへと流れていったのだ。そしてこの頃から大手メーカーはオーストラリア国内でも特に有名なクラフトビール会社に目を付け、それら買収し始めるようになった。
そして2010年代、クラフトブルワリー及びクラフトビールは完全に認められる1つのジャンルへと成長した。
現在大手に買収されその傘下で運営するクラフトブルワリーが多数存在する。資金力にものを言われる大手のマーケティング手法もあり、それらはオーストラリア国内は極めて有名である。しかしあえて大手であることは公表せず、あまりにも品質が高いため自然に有名になりましたと言わんばかりのクラフトブルワリー感を残したままの運営を続けていることが多い。
また「オーストラリアビールの基本情報」のページ内「各ビールブランドは地域との結びつきが非常に強い各ビールブランドは地域との結びつきが非常に強い 日本にはない特色だ」の項目で説明している通り、クラフトブルワリーについても同じことが言える。特にクラフトブルワリーは小さい分地域との結びつきをより一層感じさせる雰囲気を醸し出す。また醸造所と併設してタップルーム(ビールの試飲ができるカフェのようなお店)を設けることがほとんどのため、観光名所としても国内外から多くの人が訪れる。


