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グレートノーザンブルーイング オリジナル(Great Northern Brewing Original)

グレートノーザンブルーイング コー
目次

基本情報

グレートノーザン・ブルーイング・コー
グレートノーザン・ブルーイング・コー のフラグシップビール「 オリジナル」
名称:グレートノーザン・ブルーイング・コー オリジナル
(Great Northern Brewing Co. ORIGINAL)
産地:クイーンズランド州 ヤタラ
ビアスタイル:ラガー
アルコール度数:4.2%
IBU11
EBC (SRM)No Data
タイプフルストレングス
醸造所:カールトン&ユナイテッドブルワリーズ
Carlton & United Breweries (CUB)(通称「CUB」)
グレートノーザン・ブルーイング・コー オリジナル
グレートノーザン・ブルーイング・コー オリジナル

オーストラリアビールシェアナンバーワン製品

グレートノーザン・ブルーイング・コー オリジナルはオーストラリアビール界を、歴史上支配してきた2大トップシェア製品ビクトリアビター(通称VB(ブイビー))フォーエックスゴールド (XXXX GOLD)を確実に抜き去り2022年にシェアNo.1の座を奪取した製品。しかも本製品の発売は2010年と非常に若い。それでも今、最もオーストラリアで飲まれているビールなのである。
一般的には「グレートノーザン オリジナル」や、「グレートノーザン ブルーイング オリジナル」として知られる。

もちろんこれまでの歴史の中でVB、XXXX GOLDの順位が入れ替わったり、また他製品が1位を取るということはもちろんあった。しかしあまりにも安定的にこれら2製品は1位の座を開けることはなかったため、「オーストラリアビール=VB or XXXX GOLD」の図が出来上がっていた。
しかしこのグレートノーザンブルーイングコーにおいては、一時的な揺らぎで片づけることはできず、確実に新しく1位の座を獲得している。

元々はクイーンズランド州内でしか買えなかった本製品だったため、休暇でケアンズへ訪れた観光客はすぐに、地元のパブやボトルショップに求めに走ったそうだ。次第に人気は高まり、州外の酒屋は地元常連客からの要望を満たすために州を越えて仕入れに来るようになるなどブームをも巻き起こした。2015年にミッドストレングスの派生品グレート・ノーザン・スーパークリスプが発売されたと同時に、本ブランドはオーストラリア全国に出荷されるようになった。

今まさに我々はオーストラリアビール会の歴史的瞬間を目の当たりにしているのである。もしかすると10年後、「オーストラリアビール=グレートノーザンブルーイングコー」という認知が出来上がっているのかもしれない。

グレートノーザン・ブルーイング・コーの歴史

通常のビール説明のページとは異なり、本製品は先にグレートノーザン・ブルーイング・コーの歴史から触れたい。
始まりはクイーンズランド州、ケアンズにあるケアンズブルワリーカンパニー(Cairns Brewery Company)という会社が1924年にケアンズで醸造所を開設したことだった。誰もが自分の造るビールに自信を持ち、成功を夢見て会社を立ち上げる。しかし残念ながら1927年には資金が底をついてしまった。しかしまわりのブルワーたちの支えもあり新たにビール会社を立ち上げたのだった。その時つけられた会社名、それがグレートノーザンブルーイング(Great Northern Brewing)だった。
そこでは改めて、晴天の多いケアンズ北部の厳しい気候や条件に適したビール造りに着手。すっきり、さわやかで、何よりも爽快なビール、ケアンズ・ドラフトが誕生し、地元の人々はこのビールに大変満足するようになった。
そして1931年、このブルワリーはカールトン&ユナイテッドブルワリーズ(CUB)に買収され、クイーンズランド州で運営されるCUBの最初のブルワリーとなったのだ。ケアンズに位置したこのブルワリーは1992年、惜しまれながら閉鎖された。

そこから20年近くの時を経て2010年、CUBは「グレート・ノーザン・ブルーイング・コー」という新しいビールのブランドを発表。これはまさに上記、CUBのクイーンズランド州における最初のブルワリー、ケアンズブルワリーから始まった、グレートノーザンブルーイングにちなんで名付けられたのだった。このブランドによって当時廃止されたしかしあまりにも有名だった「ケアンズ・ドラフト」の古典的なマーリンのロゴも復活させたのだった!

現在はクイーンランドのブリスベンとゴールドコーストの中間地点あたりに存在する町、ヤタラ(Yatara)というところに存在するCUBのブルワリーにて醸造されている。

*通常過去に存在したオーストラリアのビール会社は過去存在したビール会社、醸造所 一覧のページにてまとめて紹介しているが、グレートノーザン・ブルーイング・コーのもととなるビール会社は規模も歴史に与えた影響も小さめの事からこのページ内にて紹介する事とした。

基本情報

2010年にリバイブされたグレートノーザンブルーイングコーがかつて醸造していたケアンズ・ドラフトは長年ケアンズの人々に親しまれてきた。これは気候やその土地の文化、好みに合わせた醸造がしっかりできていたためだ。この元の味を再現し、さらに強化したオリジナル・ラガーを目指した。それがこのグレートノーザンブルーイングコー オリジナルである。一般的なラガーよりも長い期間醸造されフルーティーなアロマ、苦味の少なさ、爽やかですっきりとした味わいに仕上げた。
ホップ選びにもこの土地ならでわの考え方、できるだけ日光の影響を受けない軽く、安定して栽培できるホップを選択、モルトにはペールモルトを使用オリジナルの味わいをリスペクトしながら現在求められる品質の高さも目指した。

グレートノーザン・ブルーイング オリジナルの味わい

まずはボトルや缶に印刷される大きなメカジキ、マーリンのロゴが目を引く。グラスへ注げはやや粗目の泡とともに、以外にもやや濃いめ、深いゴールデンカラーのビールが注がれる。
グラスへ注いでいる段階での香りはそれほど強くないが泡のそばでといかけると優しめのフルーティなアロマに気づくことができる。飲み口は非常に軽く苦味も少な目。やはりケアンズの気候に合わせたという特徴がばっちり出ている。のど越しでガンガンいける。オーストラリアではこれをクリスプと呼ぶが*、まさに大変クリスプで水のように行ける。フルストレングスと表現されているもののアルコール度数は4.2%でやや低め。あえてそこを狙っているのだがそれも手伝って大変飲みやすい。

なるほどオーストラリア国内シェアNo.1もうなづける製品だ。

*実際「クリスプ」と言う表現はオーストラリアのみならずアルコール飲料の表現で用いられる。詳しくは「ビール用語集「クリスプ、クリスピー」のページを参考に。

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