リトルクリーチャーズブルワリー(LITTLE CREATURES BREWERY)概要
リトルクリーチャーズブルワリーははオーストラリア、西オーストラリア州(Western Australia)、パース(Perth)から南西約20kmにある郊外、フリーマントル(Fremantle)に本拠地を置くビール会社。
創業は2000年と新しいがその驚くほとに高い醸造技術と味わい深いビールにより瞬く間にその名を世に知らしめた。 立ち上げ当初のメンバーはマチルダベイブルーイングカンパニー(Matilda Bay Brewing Company)から独立したスタッフで構成されており、醸造するビールの方向性が同じメンバーが揃ったという。特にホップの旨味を生かしたペールエール。これがこのブルワリーを支える思想の原点となっている。
オーストラリアに存在するマイクロブルワリーの中では抜群の知名度を誇り現在ではオーストラリアのマイクロブルワリー界を牽引している。このブルワリーの発展無くしては現在のオーストラリアクラフトビールセグメントはこれほどの盛り上がりを見せていなかったに違いない。
ブルワリーが存在する西オーストラリアだけでなく全国でもとても有名でファンも多い。
リトルクリーチャーズブルワリー自体は親会社のリトルワールドビバレッジ(Little World Beverages) (LWB)に、よって保有されていた。しかし2012年6月、キリンホールディングスの子会社、ライオンネイサン社(現在のライオン)がリトルクリーチャーズブルワリーの全株式を取得し完全子会社とすることを決定。
もともと40%近い株式を取得していたライオンネイサン社であったが、成長が続くクラフトビール市場への本格的に参入していきたいという思いと、販売チャネルやマーケティングに強みをもつライオンネイサン社のノウハウをLWB社に注ぐことで更なる成長が期待される。
小さなマイクロブルワリーは超大手に買い取られることとなったが、表向きの運営は大きく変わっておらず現在でもマイクロブルワリー醸造するクラフトビールとしての位置付けをキープしている。(したがって、あえてこのブルワリーを「マイクロブルワリー」のカテゴリー内にて紹介している。)
リトルクリーチャーズという名前はアメリカの音楽グループ「トーキングヘッズ(Talking Heads)」が1985年にリリースしたアルバムLittle Creatures に由来しているというが、もうひとつ「小さな生き物たち」を意味しており、その生き物とは糖分をアルコールに変えるビール酵母達を指している。
同ブルワリーのロゴは白い一見小さな子供に見えるエンジェルのバックに赤オレンジ色の「LITTLE CREATURES」の文字。可愛いエンジェルは大きなビールジョッキを片手にもつため大人なのだと想像される。
リトルクリーチャーズブルワリー の拠点
リトルクリーチャーズブルワリーは主に3つの場所にて運営されておりいずれの地も広く一般に公開されている。
[ フリーマントル ]
西オーストラリア州、フリーマントルの本拠地では醸造所の他にビールの飲めるレストラン。カフェがあり美味しい食事に出来立てビールのが味わえたり、醸造所の見学も毎日行われており観光名所としても有名である。
[ メルボルンダイニングホール ]
二つ目はビクトリア州にあるメルボルンダイニングホール。こちらはリトルクリーチャーズブルワリーが運営するカフェレストラン。こちらでも同ブルワリーのビールが存分に味わえる。
[ジーロング]
三つ目はビクトリア州ジーロング(Geelong)にあるリトルクリーチャーズ第二のブルワリー。こちらは2013年のオープンを目指し現在急ピッチで工事が進められているところで、拡大する東海岸のニーズに応えることを目指している。またこちらでもダイニングカフェのオープンが予定されている。
こちらで醸造されるビールはオーストラリア国内で開催されるビール品評会において幾年にもわたり数々の賞を受賞。高い評価をされていることが裏付けされている。
ビール製品は魂の込められた代表作「リトルクリーチャーズペールエール」を軸として、その他のエールやピルスナー、中ではミッドストレングスなど幅広い錬治をカバー。また極めて小数生産のシングルバッチ(Single Batch)はアルコール度数8.9%、味わいも非常に複雑な驚くべきビール。入手はかなり困難となっている。