基本情報

名称 | XXXX ゴールド (フォーエックスゴールド)(XXXX GOLD) |
産地 | クイーンズランド州 ブリスベン ミルトン |
ビアスタイル | ラガー |
アルコール度数 | 3.5% |
IBU | 14 |
EBC (SRM) | 9 (4) |
タイプ | ミッドストレングス |
醸造所 | ライオン(LION) 保有の カッスルメインパーキンスブルワリー |

XXXXゴールド概要説明
フォーエックスゴールドはカッスルメインパーキンスブルワリーにて醸造されているビールブランド、XXXX(フォーエックス)シリーズの一製品。オーストラリアビールの歴史としては比較的遅い誕生となる、1991年に販売が開始。当時の親会社ライオンネイサン(現在のライオン)が模索するアルコールをやや抑えたレンジ、ミッドストレングスの強化と醸造所が存在するクイーンズランド州の気候に合わせた製品を開発するうえで誕生した。
オーストラリアで支配的な地位を築く、 ビクトリアビター(Victoria Bitter)、通称VB(ブイビー) 、と人気を二分し、豪国内では最もシェアを獲得、成功しているビール銘柄の1つである。
2012年、それまでVBが守り続けてきたビール銘柄単体のシェアNo.1を初めて破った製品となった。(ビール業界では大変なニュースとなった)
*VBとxxxx Goldのシェア争いに関して詳しくはVBのページを参照下さい。
日本国内で本製品シリーズを表記する際「フォーエックス」の部分は「XXXX」と表記される事が殆どである。
さて、こちらのXXXXゴールド、アルコール度数の分類でいえば、一般的なビールよりアルコールを抑えたミッドストレングスというものに分類される。
通常、各醸造所のフラグシップビールといえばミッドストレングスや、ライトビールではなくフルストレングスであることが多い。しかしことカッスルメインパーキンスに限って言えばこのミッドストレングスこそが本、醸造所のメインプロダクトでありかつ最も有名な製品となる。
ちなみにXXXXシリーズにも一般的なアルコール度数を持ち、フルストレングスというものに分類される、XXXXビターというラガースタイルの製品が存在する。こちらが我々日本人が感じるいわゆる普通のビールに位置付けられるものだ。
また「オーストラリアビールの基礎」のページ内「地域に根づいたブランド」で説明しているとおり、このXXXX シリーズはクイーンズランド州のビールとしての認知とともに:
- XXXX といえば XXXX ゴールド
- クイーンズランド = XXXX ゴールド
とイメージがオーストラリア国内で極めて広く浸透している。
ミッドストレングスのビールは一般的に名称からそれとわかるものが多い。
例えばこちらのXXXXゴールドのライバル商品にカールトンユナイテッドブルワリーが製造する「カールトンミッド」というものがあるが、その名が示す通りミッドストレングスであることを表現している。
しかし、こちらの製品には名称はおろか、ラベルにさえもミッドの表記がなく馴染みの無い方は通常のビールだと思って購入してしまう場合もある。
製造についてはカッスルメインパーキンスの伝統にこだわり、選びぬかれたオーストラリアの大麦、小麦を使用。ゴールデンクラスターホップを使用することによりブラックカラントを思わせる風味豊かな苦味が特徴。
ミッドストレングスが持つ軽い飲み口、スムースでバランスの良い仕上がり。
その一方でフルストレングス製品であるビクトリアビターを打ち破るだけのしっかりとした味わい。
あくまでもフルストレングスを真似るのではなく、ミッドストレングスの良さを追求した本格的ビールは暑い気候をもつクイーンズランド州で爆発的な人気を誇る!
カッスルメインオフィシャルが持つこのビールへの合言葉は”Good as Gold”。意味は各個人が好きなように訳せばそれが正解だ。
XXXXシリーズの「X」の意味はイギリスやオーストラリアで昔から広く用いられてきたエールの強さを「X」の数で表現するものに由来している。時々日本国内のブログなどで「当時ビールの品質を「X」で表す風習があったことからこの名がつけられた」という説明しているものがあるがこれは誤りであると明確に否定したい。(もしソースがあったら教えてください)
同じような意味をもつビールに「ボーグズブルワリー」の「XXX ALE(トリプルエックスエール)」がある。
さて、もう1つ、本製品のブルワリーの名前について補足したい。
「カッスルメイン」は英語表記で「Castlemain」と書くため、日本語では「キャッスルメイン」と表記するのでは、と思われることが頻発する。
オーストラリアはイギリス系を主体とした英語を利用するためCastleの発音は「カッスル」となり日本語で描かれる際も「カッスル」と記載されるのが一般的となる。
多くのウェブサイトやガイドブックでは「キャッスルメインパーキンス」と表記されるてますがそれは誤りであると当サイトでは主張したい。
詳しくはカッスルメインパーキンスのページ内「キャッスルメインパーキンス?」の項目を参考に。
XXXXゴールドの味わい

まずは総評からになってしまうが、ミッドストレングスの中では相当にウマイ。
クイーンズランドのみならず全国で絶大な人気があるのもうなずける。
麦芽やホップの力強さはフルストレングスのそれにはわずかに及ばないと感じるかもしれない。
しかしそれは誤りだ。
カッスルメインパーキンスはあえてこのビールを軽い飲み口として仕上げた。
コアなビールファンには、ライトビールやミッドストレングスのビールについてあまりよい評価を下さない人が多いのかもしれない。
しかし、彼らにとっても「このビールはウマイ!」そう言わせる勢いがある。
クイーンズランド州でパブやビーチその他どこへ行っても周りで飲んでいるビールを見渡せばそれはもはやフォーエックスゴールドしかない。
やはりウマイのだ。
淡いゴールデンカラーの液体。
グラスに注げばサッと力強い泡を形勢。
炭酸感、シュワシュワ感とでも言おうか、がほどよく、口に含めば思いのほかクリーミーかつ滑らかで口当たりの良さが小気味良い。
麦芽の自然な甘みもしっかりとあり、穀物感がボディーを後押し。
全体としてはドライにまとまっており、さっぱり感と爽やかな苦味により多くのファンを離さない。
さすがXXXXゴールド。
他のどのミッドストレングス的なビールよりは十分に味わいが深いしそれほどまでに作り込まれたビールであるのは間違いない。
完全に、そうまさに完全にVBと共にオーストラリアを代表するビールだ。