フォスターズグループ(FOSTER’S GROUP)

FOSTER’S GROUP(フォスターズグループ)概要

オーストラリア フォスターズグループ

フォスターズグループは、オーストラリアのビクトリア州、メルボルンに本拠地を置き、ビールやウイスキーを始めとしたアルコール飲料とソフトドリンクを製造する世界的に有名な超巨大企業である。
かつてはワインを取り扱う部門があったが、その全てはTreasury Wine Estates (トレジャリーワインエステーツ)という別会社が設立され、その権利が移管された。

オーストラリア国内でのビールシェアは第1位を獲得しており取り扱うブランドは、世界的に有名なFoster’s Lager(フォスターズラガー)を始めオーストラリア国内では最も売れているビールVictoria Bitter(ビクトリアビター) 通称VB(ブイビー)やCarlton Draught(カールトンドラフト)などなどどれも超有名でその数もはてしなく多い。
2011年の12月には醸造会社世界最大手の1つ、SAB Miller(エスエービーミラー)への売却が承認されその傘下として運営されていくこととなった。
しかし未だ例えばカスケードブルワリーの親会社はフォスターズグループだという言い方をしてもSABミラーだという言い方をすることは少ない。

フォスターズグループが保有するメジャーブルワリーは2つあり、1つが「カールトン&ユナイテッドブルワリーズ(通称”CUB”)」、もう1つが「カスケードブルワリー」である。
CUBは国内最大の醸造所でこちらからは非常に多くのブランドが製造されている。
カスケードブルワリーからは「カスケード」のブランドのみの製造となるが、そのブランド内においても様々な種類のビールが存在する。
またフォスターズグループはメジャーブルワリーのみならずマイクロブルワリー※1の獲得にも積極的である。
現在ではマチルダベイブルーイングカンパニーとブルータンの2つを保有している。

※1:メジャーブルワリー、マイクロブルワリーの説明に関してはオーストラリアのビールメーカーのページを参考に。

フォスターズグループの組織を表した図が下の「図4:フォスターズグループの運営構造」である。

オーストラリアビール 企業

 

フォスターズグループ所有のブルワリーとビールブランド

所有ブルワリーその1:
カールトンアンドユナイテッドブルアリーズ
(Carlton & United Breweries)(通称「CUB」)

カールトン&ユナイテッドブルワリーズが製造するビールのブランド

  • CARLTON (カールトン(シリーズ))
  • ABBOTSFORD (アボッツフォード)
  • CROWN (クラウン)
  • MELBOURNE BITTER (メルボルンビター)
  • GREAT NORTHERN BREWING CO. (グレートノーザンブルーイングコー)
  • KB (ケービー)
  • NT (エヌティー)
  • POWER’S (パワー)
  • PURE BLONDE (ピュアブロンド)
  • RESCHS (レシャス)
  • SHEAF (シーフ)
  • VB (ビクトリアビター(通称「ブイビー」))

所有ブルワリーその2:
カスケード ブルワリー(Cascade Brewery)

カスケードが製造するビールのブランド

  • CASCADE (カスケード)

所有ブルワリーその3:
マチルダベイブルーイングカンパニー(Matilda Bay Brewing Company)

マチルダベイブルーイングカンパニーはマイクロブルワリーに位置づけられる小さな醸造所。
特定のブランド名を持たず「マチルダベイブルーイングカンパニー」が作り出す、それぞれの商品という位置づけをとっている。

所有ブルワリーその4:
ブルータンブルワリー(Bluetongue Brewery)

ブルータンブルワリーもマイクロブルワリーである。
こちらが製造するビールのブランド

  • BLUETONGUE (ブルータン)

 

フォスターズグループの歴史

フォスターズグループの起源は1888年、2人のアメリカ人兄弟、ウィリアムフォスターと、ラルフフォスターがニューヨークからオーストラリア、メルボルンへやってきてFoster’s Brewery(フォスターズブルアリー)を立ち上げた事に始まる。

フォスター兄弟がオーストラリアへやってくるしばらく前の1854年、オーストラリアでは最も有名なビール、Victoria Bitter(ビクトリアビター)通称VB(ブイビー)が同じくビクトリア州のVictoria Brewery(ビクトリアブルアリー)で生産を始めていた。
ブイビーは大量生産のビールとして成功をおさめ、追従するメーカーは何とか牙城を崩したいと考えていた。
ビクトリアブルワリーの創業から時を少し後にした1864年にはCarlton Brewery(カールトンブルアリー)がこちらも同じくビクトリア州のメルボルンにて創業を開始、カールトンブランドとしてビールを広く販売していった。

そんな市場争いの激しい所にフォスター兄弟はやってきたのである。

<p”>彼らはアメリカ国内でその当時としてはまだ珍しい冷蔵庫を取り扱っており、比較的温暖な気候であるオーストラリアでのビール醸造に冷蔵庫が有利だと考えていたためだ。
この時代、上記3つのビール会社はそれぞれ成功を収めその地位を確立していった。

時代は流れ1907年、メルボルンに存在するフォスターズブルアリー、ビクトリアブルアリーとカールトンブルアリーの3社に加え、更に3つの会社、Shamrock Brewery(シャムロックブリュワリー) 、McCracken Brewery(マククラッケンブリュワリー)、Castlemaine Brewery(カッスルメインブリュワリー)の計6社が合併しCarlton & United Breweries(カールトンアンドユナイテッドブルアリーズ)通称をCUB(シーユービー)を立ち上げた。
1913年には株式会社とし広く一般に株式が公開された。
CUB形成の一般に対する名目はビクトリア州のアイコンとして、広く皆様に愛され、安定した商品の供給をし、などと言われたのだが実際には1903年に上記6社でカルテルが結ばれており、その目的は価格のつり上げ、市場支配による利益追求によるものだった。
CUBはその後、着々と企業買収を続けて大きく成長をとげていった。

CUBが大きく力をつけていく一方、別の分野においてもオーストラリア国内を代表する多くの巨大企業が誕生していった。
Elders IXL(エルダーズ アイエックス エル)もその一つの企業である。
エルダーズIXLはもともとElders(エルダーズ)という巨大コングロマリットがHenry Jones IXL(ヘンリージョーンズ アイエックスエル)を買収して形成されたもので、企業買収を続けることで飲食、畜産、金融、各種材料を始めとした様々な分野へ幅広く事業を展開していた。
ちなみにIXLは、I excel.(私は優れている)の略だといわれている。

1983年、今まで企業買収を続けてきたCUBが逆にElders IXLにより買収される事となった。 経緯はこうだ。
もともとCUBはエルダーズIXLの半数近くの株式を保有しおり多くの影響を与えていた。その一方でエルダーズIXLはその関係を好ましく思っておらず、何とかCUBの影響力を排除したいと考えていたがその方法を見いだせないでいた。
1983年オーストラリアの投資会社Industrial Equity Limited(インダストリアル エクイティー リミテッド)、通称 IEL(アイ イー エル)がCUBの買収に乗り出すと表明した。エルダーズIXLの約半数を保有しているCUBが乗っ取られた場合その影響がエルダーズIXLに及ぶのは容易に想像できた。
早急な対応を迫られたエルダーズIXLはやむなく1億ドル近くの資金を早急に集め、CUBの買収を表明、実行したのであった。
エルダーズIXLにとってこの買収が大成功に終わったのは、CUBの株式を取得できた事に加え、CUBがもともと保有していた株式の取得も同時に行えた事だった。そのなかにはIELを含め、その他多くの企業のまとまった株式があった。
さらに、もともとCUBの影響力を排除したいと考えていたこと、またいずれはビールの分野に進出したいと考えていた事が同時に実現できたのであった。
その後IXLはビール分野をコアビジネスと捉えるようになり、いらない分野の株式を売却。
身軽になった会社は、さらにビール分野に注力し、その戦略のなかでカールトンアンドユナイテッドブルアリーのフラグシップ銘柄、フォスターズラガーを世界進出の起爆剤として活用することとした。 とりわけアメリカ、カナダ、イギリスへの進出を当初の目標としており、現地にあるビール製造会社を買収していった。
CUB買収にあたってエルダーズIXLはElders Brewing Group(エルダーズ ブルーイング グループ)とその名前が変えられた。
1990年には日本のビールメーカー、アサヒがエルダーズIXLの株式19.9%を取得。アサヒスーパードライがオーストラリア国内で販売されるようになった。
さらに同じ年、エルダーズブルーインググループは世界的に大成功を収めた同社商品、Foster’s Lager(フォスターズラガー)にならって、その社名をFoster’s Group(フォスターズグループ)へと変更した。

2005年にはオーストラリアワイン最大手のSouthcorp(サウスコープ)を傘下に収めると、ワインの売上でも世界一を叩き出すようになった。 フォスターズグループのワインディビジョンは2011年に別会社Treasury Wine Estates(トレジャリーワインエステート)が新たにたてられその全機能が移管された。

2011年9月フォスターズグループは、イギリスビールの大手、SAB Miller(エスエービーミラー)への売却に合意、12月に承認されたと発表。その傘下として再出発していくこととなる。 エスエービーミラーはイギリス、ロンドンに本拠地を置く世界最大級の醸造会社及び、コカコーラ製品のボトラーでもある。

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