基本情報
名称: | Emu Export (エミューエクスポート) |
産地: | 西オーストラリア州 パース |
ビアスタイル: | ラガー |
アルコール度数: | 4.2% |
IBU: | 約18 (公式発表無し) |
EBC (SRM): | No Data |
タイプ: | フルストレングス |
醸造所: | Swan Brewery(スワンブルワリー) |
エミューエクスポート概要説明
エミューエクスポートはオーストラリア、西オーストラリア州にあるスワンブルワリーで造られるビールブランド、「エミュー」シリーズのうちの1つ。
醸造所のあるCanning Vale(カニングベール)、そのそばを流れるカニング川やスワン川、美しい自然に恵まれたこの地域は昔から質のよいビールを産み出してきた。 1954年に醸造が開始されて以来「無敵エミュー艦隊の一員」的な位置付けで兄貴分のエミュービターとともに非常に高い人気を獲得、スワンブルワリーを支える主要な製品の1つとしてとらえられている。
一般的に「西オーストラリア州のビール」と表現されるエミューシリーズだけあり特に西オーストラリア州内では絶大な人気を誇る。
アルコール度数はかつて4.9%だったものが製造方法の変更に伴い現在の4.4%にまで引き下げられてしまった。この変更は議論を巻き起こすものであったが変更中止には至らなかった。
結局レシピ変更後も当時と変わらず高い人気を維持し続けることとなった。
麦芽の主張は程よくクリーンでリフレッシング、さらさらとした飲みごごちでありながらフルボディーを実現、しっかりとしたおいしい苦味のフィニッシュ。
気取らずかまえずそこにあればゴクゴクと飲めてしまう旨さ。そんなどこにでもありながら万人に愛されるビールを目指し西オーストラリアの乾いた大地にベストマッチ。そんな仕上げがほどこされている。
またこのビールはその見た目から「レッドカン」と呼ばれたり、省略して単に「エクスポート」などと表現されることもある。
エミューエクスポートの味わい
ではエミューエクスポートの味わいに迫っていこう。
叩きつけるようにグラスへ注げばきめが若干荒めの泡が勢い良く形成されるがそれらの泡はビー ルの蓋の役目を果たすこと無く程なくしてはかなくも消え去ってゆく。
香りはかなり抑えられたものではあるがそれでも穀物系の甘い麦芽の雰囲気が心地よい。
我々日本人にとっては真夏の暑い日、キンキンに冷してがぶ飲みすればオーストラリア独特の味わいに加え、比較的リフレッシングで飲みやすい本製品はこの名前の面白さも相まって忘れられないビールになること間違い無し。
口へ含めば軽めの炭酸が口中を優しく刺激。うまいぞ。
味わいは思いのほかしっかりと輪郭、ミディアムなボディーがあり必ずしも多くの人が抱かれる 大量生産的な薄い味わいというわけではない。
ややメタリック、鉄の味を呈し、また誤解を恐れず言うならば没食子酸(もっしょくしさん)すなわち、分子がエステル結合した化合物のような味わいをわずかながらに感じる。
フィニッシュは意外にもリフレッシングでサッパリとした飲みくちで、飲みやすいと感じるのではなかろうか。
しかしながらこれといった特徴的際立った味わいがあるわけではなく悪く言えばどこにでもあるビールと表現せざるを得ない。
それでもどことなく安心して飲めるのは西オーストラリア州では絶大な人気とセールスを誇るエミューシリーズだからにほかならない。
この安心感、安定感、どこへ行っても待っていてくれるエミュー。嬉しい相棒ではないか。
西オーストラリアへ来たならばスワンかこのエミューシリーズを飲まなければいけないのである 。
これはもはやオーストラリアの粋なのである。
口で味わうだけではない。感じるのだ。心意気なのだ。