基本情報
名称 | XXXX ドライ (フォーエックスドライ)(XXXX DRY) |
産地 | クイーンズランド州 ブリスベン ミルトン |
ビアスタイル | ラガー (ドライ) |
アルコール度数 | 4.2% |
IBU | 10 |
EBC (SRM) | 10 (5) |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | ライオン(LION) 保有の カッスルメインパーキンスブルワリー |
XXXXドライ概要説明
XXXXドライ(フォーエックスドライ)は豪州ビール売り上げシェアNo2のライオンが保有するブルワリー、カッスルメインパーキンスーにて醸造されているビールブランド、XXXX(フォーエックス)シリーズの一製品。
2024年現在定番品として販売されるXXXXシリーズ5製品のうち、最も直近の2020年に販売が開始された。
現在でもオーストラリアの最上位の人気を誇るXXXXシリーズの親分、XXXXゴールドがXXXXビターのミッドストレングスバージョンであるのに対し、こちらはXXXXビターのドライバージョンといった位置づけとなる。アルコール度数を通常のフルストレングスよりやや落とした4.2%に設定、さらに炭水化物を除去する独自の製法にてカロリーを抑えたローカーボビアに仕上げ、XXXXゴールドが持つような持ち味、気軽さを打ち出した。
当サイト内「ビールの種類(スタイル)」のページ内「ドライ」の項目で述べている通り、現在オーストラリアにおいてもビールのスタイルとして「ドライ」というジャンルが確立している。
オーストラリア国内において、ドライ製品で圧倒的なシェアを誇るのがライバル企業でオーストラリアビール販売シェアNo.1のメーカー、カールトンアンドユナイテッドブルワリーズが造るカールトンドライ(Carlton Dry)となる。これを何とか迎え撃つべく、満を持して打ち出されたのが本製品、XXXX ドライであった。
本製品の市場投入として、まずは2020年、この当時はやっていた新風邪、COVID-19によるロックダウン2日前、クイーンズランド州とノーザンテリトリーのみで軽いテスト販売が実施されることとなった。結果はロックダウンの影響をものともせず、わずかその1年で1,200万豪ドル(当時のレートで約9億円程度)以上の売り上げを達成。メーカーは想像以上の成功に胸をなでおろした。
これにより、オーストラリアの全国販売に踏み切っても間違いなく成功すると確信したライオンは翌年より全国販売を開始。
もちろんライオンは、「カールトンドライの対抗」という正面を切った表現は一切使用しなかった。ライオンでXXXX(フォーエックス)のブランドリーダーを務めるクリスアラン(Chris Allan)は当時以下のように説明している。
「オーストラリアで143年間培われ、卓越した醸造技術に裏打ちされたXXXXドライは、XXXXファミリーに新たに加わりました。ライオンはその他のブランドからドライ製品を打ち出していますが、それでも自分が慣れ親しんだ銘柄で気軽に飲める”ドライビール”を求めています。XXXXドライはXXXXのいいところいいところを余すところなく取入れました。その飲みやすさは愛飲家、すべての皆様を楽しませることでしょう。その姿を見ることを待ちきれません。」
販売後の人気は上々だった。XXXXシリーズで最も売り上げのあるXXXXゴールドから乗り換えると宣言するものや、メーカーが本製品のライバルとして位置付けるグレートノーザンともよい戦いを繰り広げすぐにオーストラリア大手ブランドの定番品として定着を果たした。
オーストラリアにドライビールの定番品が2つ存在する。1つはドライ製品の中で常に売り上げナンバーワンを誇るカールトンドライ(Carlton Dry)、2つ目はオーストラリアのビールシーンに「ドライ」というジャンルを根付かせたハーンスーパードライ(Hahn Super Dry)である。それぞれ個性があり売れている理由が確かにある。本製品、XXXXドライが第3のドライとして根付くことができるか、または上位2製品を追い抜くことができるのか、定期的に確認をしていきたい。
XXXXゴールドの味わい
それでは本製品、XXXXドライのテイストに迫っていく。
大胆にグラスに注ぐと思いの他しっかりとした泡を形作りそれがしっかりとビールの蓋の役目を果たす。色合いはXXXXゴールドより少し濃くやや深みを呈す。グラス内の液体からは炭酸の泡もたくさん上り強めの炭酸であることをうかがわせる。
そのままグラスに鼻を近づけてみると立ち上るアロマはあまり感じられない。しかしこれはほかのドライ製品にも比較的当てはまり特にホップの印象を得ることは難しい。しかし口へ含んでいるとそうでないということもある。
XXXXに限らすオーストラリアのラガーはどちらかというとしっかりと味わうというより、ガンガンとガブ飲みし、のどごしで楽しむことが多い。本製品も間違いなくその部類に入るだろうとガブ飲みしてみるとテイストはどうだ。
やはりというかホップの感触はそれほど得られないがほのかにやさしい麦芽の甘みの後にさわやかなビタネスが後押し、非常にクリスプでリフレッシングでドライ。そしてオーストラリアの大胆さを思わせる思いのほか深みのある味わいだ。まさにXXXXゴールドに対し、味わいの輪郭をしっかりとさせた印象のフルフレーバー。そしてその名の通りしっかりとドライフィニッシュを実現している。それでもさっぱりとしているがこれはXXXXの良さを生かしたといえるだろう。XXXXファンであるならば間違いなく気に入る味だ。
昼間からビールのみで水の代わりにガブ飲みするのもよいし、軽めのテイストはどんな料理にも合わせられることだろう。テスト販売で瞬く間に売れていったのもうなづける、本当に第3のドライとして定着する可能性を秘めたドライビールだと感じさせる。