基本情報
名称: | グレートノーザン・ブルーイング・コー・スーパークリスプ (Great Northern Brewing Co. Super Crisp) |
産地: | クイーンズランド州 ヤタラ |
ビアスタイル: | ラガー |
アルコール度数: | 3.5% |
IBU: | 11 |
EBC (SRM): | No Data |
タイプ: | ミッドストレングス |
醸造所: | カールトン&ユナイテッドブルワリーズ Carlton & United Breweries (CUB)(通称「CUB」) |
グレートノーザン・ブルーイング・コー スーパークリスプ 概要説明
グレートノーザン・ブルーイング・コー・スーパークリスプ*はグレートノーザンブランドの1製品でこちらはアルコールをやや抑えたミッドストレングスタイプのものとなる。
グレートノーザンブランドは長きにわたりオーストラリアビールをけん引してきた2大製品、ビクトリアビターとフォーエックスゴールドを抑え2022年にオーストラリアビールシェアNo.1を獲得、2024年現在もその衰えを全く見せることのない大人気ブランドの1つでオーストラリアビールブランドの定番の1つとして定着した。
*一般的には「グレートノーザン スーパークリスプ」や「グレートノーザンブルーイング スーパークリスプ」と呼ばれている
本ブランドのフルストレングスバージョン、グレートノーザン・ブルーイング オリジナルは同じくフルストレングスのビクトリアビターを迎え撃ち、そしてこのスーパークリスプがミッドストレングスのフォーエックスゴールドに対峙する形となった。グレートノーザンにまさに死角無しと言ったところか。
グレートノーザンスーパークリスプの登場はオーストラリアビールの歴史からすれば大変新しい2015年となる。オリジナルの登場が2010年なのだが、面白いことにオリジナルは2017年までクイーンズランド州内のみでの発売であった。逆にこちら、スーパークリスプは販売当時からオーストラリア国内全土でリリースされた。リフレッシングな飲み口が受け大変な人気を獲得、それとともにオリジナルの全国販売を希望する声が殺到、メーカーにより全国販売が決定された。(本スーパークリスプの発売日に合わせてオリジナルも全国展開された)
その他グレートノーザンブルーイングの詳細な歴史についてはオリジナルのページ内に記載されているためぜひとも参考にしてほしい。
クリスプな特徴
さてこのグレートノーザン スーパークリスプ。そもそもクリスプ(Crisp)とは何だ。
英単語で「Crisp」を調べると「パリパリする、新鮮な」などに加え「歯切れのいい」といった意味もある。ワイン用語では「さわやかな」といった意味でも使われたりするが、おもにすっきり・さっぱりとした飲み口や雑味の無いクリアテイストを表現するのに使用される。
ちなみにポテトチップスなどの「パリパリ」とした触感やコーンスナックの「サクサク」した感じは英語で「クリスピー(Crispy)」と表現される。
数あるオーストラリアビールの中でもその名称に「クリスプ」とつくものはなかなかない。本製品のクリスプな仕上がり具合の自信がうかがえる。
このクリスプさを最大限楽しめるよう、本製品はアウトドア・ライフスタイルを念頭に醸造された。フルーティーなアロマ、低い苦味、クリーンでまさにクリスプな後味は、グレート・ノーザンのコンディションにぴったりの究極のリフレッシュメントを提供する。
選び抜かれたオーストラリア産ペールモルト、ラガー酵母、軽めの安定したホップとモルトエキスを使用、淡い黄金色で、全体的にマイルドでフルーティー。ほのかな苦味と軽い口当たり。爽やかでクリーンな後味を実現。まさにオーストラリアビールにおいて最高にクリスプなビールを完成させた。
グレートノーザン・ブルーイング・コー スーパークリスプの味わい
【見た目】
瓶、缶のラベルにはアイコンであるメカジキ、マーリンのかっこいいロゴが目立つが、ビールカラーそれ自体は、本製品が「ラガー」スタイルである事を踏まえても、特に目立ったところは無い。グラスへ注いだ泡はかなり粗目で、あっという間にこの世から消え失せ、ビールの一部へを姿を変える。わずかに薄いレイヤーとして表面にとどまる感じだ。
【香り】
グラスへ注いでいる時には立ち上る香りは一切感じなかった。鼻をグラスへ近づけてみると薄いながらも甘いカラメル麦芽、穀物の感じが何とか拾えるというところか。ホップのアロマも大変にやさしい、いや弱いといえるかもしれない。うっすらと草原の香りをわずかながらにとらえることができる。なるほど香りもクリスプなものを狙っているのか。
【味わい】
それでは味わいはどうか。
グググッと一気に飲んでみる。ほぅ。ノド越しが大変よくクイーンズランドの暑い気候には本当に合う。海辺や、バーベキューや屋外のレストラン、こんな雰囲気に大変合わせやすい*。喉の渇きを癒すがごとくするするを喉を通りあっという間に飲み干してしまう。クリスプの最上級を行くビールだ。味わい的にはペールながらも甘い穀物の味わいを拾うことができる。ホップの印象はやはり薄い。ドライや淡麗というところともまた少し違い、悪い言い方をすると薄くてやや水っぽい。ボディー感も弱いがこれはそのように造られている為当たり前であろう。
*オーストラリアではパブリックエリアでの飲酒は基本的に禁止されています。許可エリアを確認の上お楽しみを
【総評】
オーストラリア国内のミッドストレングスのビールにはありがちなのだが、こちらの製品も大変軽い味わいである。日本のビールに飲みなれている日本人でも多くは薄いと感じるであろうし、IPAやペールエール、スタウトが好みな人々には全く合わないかもしれない。
しかしオーストラリア人はこの手のビールが大好きであるし、「うまいうまい」といって飲み続けている人がたくさんいるのも事実。
かつてオーストラリアビールシェアNo.1を獲得したXXXXゴールドもこれに近い薄さがある。これはもはや、間違いなくオーストラリアビール文化の1つといってよい。
これらのビールに限っては、麦芽がどうの、ホップの香りがどうした、などとうんちくを語るものではない。本能と勢いに任せてノド越しでゴキュゴキュと浴びる。そんな楽しみをする類ではないだろうか。
しかし面白い事にそのまた一方で、オーストラリアに長いこと滞在し飲みなれてくると、これが本当にウマいと感じるようになる。XXXXゴールドもまたしかりだ。
オーストラリアのビールを飲むからには是非この「スーパークリスプ」を含め、ミッドストレングスビアのすばらしさを体験してほしい!