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ウエストエンドドラフト (WEST END DRAUGHT)

ウエストエンドドラフト
Sited from https://westenddraught.com.au/
  • 現在でも「南オーストラリア州のビール」との認知で同州内で大変人気の歴史あるビール
  • しかし南オーストラリア州内のブルワリーは閉鎖現在は大手メーカー、ライオン保有のブルワリーにて醸造が継続されている
  • 2000年代初頭、南オーストラリア州内に於いて最も売れているビールブランドであった
目次

基本情報

ウエストエンドドラフト
ウエストエンドドラフト Sited from https://westenddraught.com.au/
名称ウエストエンドドラフト (WEST END DRAUGHT)
産地かつては南オーストラリア州 アデレード
現在は明記無し
ビアスタイルラガー
アルコール度数4.5%
IBUNo Data
EBC (SRM)No Data
タイプフルストレングス
醸造所かつてはウエストエンドブルワリー
現在は明記無し
ウエストエンドドラフト
ウエストエンドドラフト Sited from https://westenddraught.com.au/

ウエストエンドドラフト概要説明

ウエストエンドドラフト、2024年現在でも南オーストラリア州産のビールとして広く認知されているフルストレングス、フルフレーバーのラガースタイルビールである。
南オーストラリア州産と認知される理由は、かつて本ビールはサウスオーストラリアブルーイングカンパニーという南オーストラリア州を代表するビール会社が保有するウェストエンドブルワリーにて長く醸造されていたためである。残念ながら2021年にウエストエンドブルワリーは閉鎖され現在ウェストエンドドラフトはトゥーイーズ(Tooheys)シリーズでおなじみのトゥーイーズブルワリーやXXXXシリーズでおなじみのカッスルメインパーキンスブルワリーへ移管された。しかし「ウェストエンド=南オーストラリア州」のイメージがいまだ根強いため現在の醸造拠点については大きく公表されていない。

時には赤缶(Red Tin)という愛称でも呼ばれるWest End、かつてウエストエンドブルワリーで醸造されていたころは非常に多くのシリーズが存在し、2000年代初頭は南オーストラリア州では最も売り上げのあるビールシリーズであった。
公式では本ビールを以下のように表現している。
160年以上もの間南オーストラリア州ののどを潤し続けてきたいわゆる「元祖のどごしビール」の象徴だ。誰かがビールを頼む時、それはウエストエンド・ドラフトを意味する!この完璧なバランスのラガーは、すっきりとしたホップの苦味があり、ぐっと冷やして飲むのがおすすめ!

ウエストエンドドラフトの味わい

ではウエストエンドドラフトの味わいに迫っていこう。
まず大前提として大手ビールメーカーが造る大量生産ガブ飲み系ビールに属するだけに、やれ麦芽の甘さがどうの、ホップの苦味がどうのという旨味を期待してはいけない。古き良きオーストラリア、皆が一様に同じビールを飲みまくっていたあの時代、そのノスタルジーを感じさせる製品の良さを認め合おう。
オーストラリ人は古くからさっぱりしたガブ飲み系が大好きなのである。そう。方向性で行けば、オーストラリを代表するビクトリアビター、クイーンズランド州を代表するXXXXゴールド、ニューサウスウェールズ州を代表するトゥーイーズニュー、やはりこれに類するものになる。

じゃあしかしだ。どこにでもあるビールです。終わり。とはならないのである。かつてのウエストエンドブルワリーはやはり南オーストラリア州の皆様に愛されるべく、愛情をもってこのウェストエンドドラフトを醸造したのである。

果たしてグラスに注がれたそれは若干濃いめのゴールデンカラーをのぞかせ、控えめな炭酸の気泡がチラチラと底から舞い上がる。さっぱり系のラガーは特にぐっと冷やして飲むのがよいし、公式でもそううたっている。是非ともキンキンに冷やして飲もう。
グラスへ注いだ直後は大手ビールメーカーにありがちなケミカル感漂う泡ではなく比較的きめの細かいレイヤーが2フィンガーほど現れていたがほどなく薄いレイヤー1枚に姿を変える。

ぐっと鼻を近づけて無理やり香ると思ったほど悪くないことは意外な喜びだ。もちろん柔らかかつか弱いながら、程よいフローラル、青リンゴのような漂い、軽いモルトヒントにわずかなフェノールのキャラクターがある。ほうほう、もちろん当然地味めだが、期待していたよりもずっと個性があることに驚かされる。なんだこれ。期待させるぞというところが飲む前の感想だろう。

ところが口へ運んでみると想像した通りのペールな味わいだ。よく言えばやはりスッキリ軽く気軽にガブガブ飲めるということだ。そして特徴的なところは淡くはあるものの、確かにのモルティな甘さ、やや後追いで穀物感、かすかな草原的ホップのささやき。後味は甘みが追いかけてくることが分かる。ほうほう。ペールだ、ガブ飲みだ、薄い、だがしかし南オーストラリアを代表するビール、万人に受けるよういいところを攻めてきている。
クラフトブルワリー全盛の今、あえてこのビールを飲んでみるとまた新たなオーストラリアを代表するビールの良さに気づかされる。やはり定期的に手に取りたくなる味だ。

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