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ビクトリアビター ローカーボ

ビクトリアビター・ローカーボ
Sited from https://www.victoriabitter.com.au/
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基本情報

ビクトリアビター・ローカーボ
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名称ビクトリアビター・ローカーボ(Victoria Bitter Low Carb)
産地ビクトリア州 メルボルン
ビアスタイルラガー
アルコール度数4.9%
IBU23程度 (公式発表無し)
EBC (SRM)13 (7) 前後(公式発表無し)
タイプフルストレングス
醸造所カールトン&ユナイテッドブルワリーズ
Carlton & United Breweries (CUB)(通称「CUB」)

ビクトリアビター・ローカーボ概要説明

ビクトリアビター・ローカーボはオーストラリアビールメーカー最大手のカールトンアンドユナイテットブルワリーズ(通称「CUB」)にて醸造されるビールの1製品で2024年3月11日に販売が開始された。

世界的に見た場合、日本のビールと言えばアサヒスーパードライ、アメリカのビールと言えばバドワイザーと言えるだろう。ではオーストラリアのビールといえば何か。そうビクトリアビター、通称VB(ブイビー)である。今でこそシェアナンバーワンを他の製品に譲っているものの、いまだオーストラリア国内ビールの王者として位置付けられ「オーストラリアのビール=VB」のイクウェイジョンに揺るぎはない。

実はメーカーのCUBはこのビクトリアビターの派生版としてビクトリアビターエクストラを2023年3月に投入している。エクストラはその名の通り、ブイビーの味わいをストロングにしたものだ。
それから約1年、再度新製品の登場となった。今度はどちらかというとストロングとは逆に位置付くものとなる。
原材料はオリジナルのブイビーと同様だ。オーストラリア産のペールモルトに加え、ビクトリア州産とタスマニア州産の「プライド・オブ・リングウッド」ホップを使用、アルコール度数も4.9%と通常版のVBと同等で、風味や味わいの強さも失うことなく糖質33%カットを実現した。

ビクトリアビター・ローカーボ
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ローカーボビール

ビールファンの皆様はもちろん承知の事であろうが「ローカーボ」とはビールに含まれる炭水化物の量が低い低糖質ビールの事を指している。ちなみにローカーボの「カーボ」は「カーボハイドレイト(Carbohydrates)」の省略形で和訳は「炭水化物」となる。
日本でも低糖質、糖質ゼロのビールが存在するがそれとほぼ同じと考えてよい。

さて、このローカーボビール、オーストラリアでも広く浸透しており一般的に飲まれている。最も代表的かつ売り上げのあるローカーボ製品として「ピュアブロンド ウルトラ ローカーボ ラガー(通称ピュアブロンド)」があげられる。こちらは2004年に市場に投入されたもので2024年現在でも国内ビール販売数の10位以内に常に入るほどの人気ぶりだ。オーストラリア国内のローカーボについては本製品から根付いたのだ。

実はオーストラリアの主要なビールブランドには大体ローカーボ、低カロリー系の派生製品が存在しており上記の通り、ビール市場に根付いていることから、ビクトリアビター(VB)の販売戦略としてもさすがにここを抑えないわけにはいかない。そんな思惑が見え隠れする。しかし決してそのような理由だけでないことは販売当時、CUBでクラシック・ブランド責任者を務めるサラ・ウィルコックス氏がしっかりと述べている。
「以前は、クラシックなビール愛好家の中には、ローカーボビールは自分には合わないと考える人もいました。しかし、VB愛飲者の10人中7人が低炭水化物ビールを真剣に検討すると答えている今こそ、VB低炭水化物ビールが必要な時なのです。CUBは、ビール・カテゴリー全体の成長に貢献しながら、変化する顧客のニーズに応えることで、間違いなく革新へのコミットメントを示している。私たちはこのような革新的な取り組みに全力を注いでいます。」

ピュアブロンドを抑えVBローカーボがローカーボビールの王者となる日は来るのか。今後の動向が期待される。

ビクトリアビター・ローカーボの味わい

ビクトリアビター・ローカーボ
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それではビクトリアビターローカーボの味わいに迫っていくのだが、ここはやはりオリジナルのビクトリアビターと比較しながら本ローカーボの位置づけを明確にわかるようにしていきたい。

【見た目】
まずは見た目だが、ビールそのものではなく、パッケージデザインにも注目したい。オリジナルの緑に対し、こちらローカーボは黒を基調としたデザインだ。全くかっこいい。ビクトリアビター、何をやらせても一流だぜ。
グラス注がれたVBローカーボ、液体のカラーは全くと言っていいほどオリジナルに酷似している。我々が想像する一般的なビールカラーより少し濃くしたブラウンカラー。勢いよく注ぐと驚くほどの泡がグラス上面に形成されまた思った以上に長い時間、泡の形状をとどめる。立ち上る炭酸的気泡はオリジナルに比べ多い印象を受けるがこれは各ビールの保存状態に依存するかもしれない。

【香り】
典型的なオーストラリアビール、いやオーストラリアの香りがする。パブの前を通りかかったような、またパブに入った時に感じるフロアの香り。本当に安心する。本家のビクトリアビターと香り面でも全く同じと言ってよい。若干アーシーかつグラッシーな印象も本家の通りだ。思った以上にオリジナルのVBと同等の香りで飲む前からわくわくさせちてくれる。

【味わい】
さぁ。肝心な味わいはどうか。それではがぶっとビールを一気に飲んでみる。
おい。うまいぞ。なんだこれは。ほぼ、いや全くと言っていいほどビクトリアビターではないか。やさしいモルティネスに深みのある香ばしい苦味、最後にちょっとある酸味。炭酸がかなり強めで大変リフレッシュ。これはオリジナルより強いのではという印象を受けるが比べないとわからないかもしれない。
ただオリジナルと飲み比べながら飲み進めるとこちらの方がスムースであることに気づく。スムース、、、。ほぅ。なるほど。ごくわずかだこちらの方がパンチが弱いことに気づく。なるほど。これは好みで選んでもよいかもしれない。ただ完全にVBだ。安心して飲める。

【総評】
味わいは全くと言っていいほど同じであるがやや輪郭が弱いというかパンチがないという感じ。しかし裏を返すとスムースで飲みやすい。炭酸の強さもあり、冷やして飲めば完全にVBと同等の扱いとして飲める。そういう出来栄えだ。2024年の価格はオリジナルのVBと全く同じ値段で販売されている。そのような点から、これは好みやその時々の気分で選んでよいのではという気さえする。ここまでの仕上がり、さすがはオーストラリアナンバーワンメーカーが醸すだけのことはある。
皆さんも是非飲み比べをしてほしい。

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