基本情報
名称 | クーパーズ ドライ(Coopers DRY) |
産地 | 南オーストラリア州 アデレード |
ビアスタイル | ラガー |
アルコール度数 | 4.2% |
IBU | 8 |
EBC (SRM) | 5 (2) |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | クーパーズブルワリー(Coopers Brewery) |
クーパーズ ドライ 概要説明
クーパーズドライはオーストラリアが誇る純国産企業クーパーズブルワリーが通年販売するビール製品の1つ。クーパーズで最も有名かつ人気な製品と言えばペールエールスタイルのクーパーズスパークリングエールかクーパーズオリジナルペールエールである。そのためクーパーズと言えば、上面発酵ビールのイメージが強い(ほかにも上面発酵製品がありフィーチャーされている)。しかし実際は下面発酵にもしっかりと力を入れており一通りのビアスタイルを取りそろえている。
本クーパーズドライはラガースタイルのドライバージョンだ。オーストラリアでは2006年頃から「ドライ製品」の一大ブームがやってきてビールジャンルの1つとして確立された。
その後各社こぞって「ドライ」を打ち出した結果、最も有名なドライ製品としてカールトンドライ(Carlton Dry)が定着することになった。(日本と違い、その他有名「ドライ」ブランドは多数存在する)
クーパーズは大手ビール会社ながらも少々独自の路線を行っているところもありこの波にすぐ乗ることはなかった。それでも市場の流れ、消費者の要望により2018年9月に本製品「クーパーズドライ」がローンチされることとなったのだ。ドライ製品としては大変遅咲きである。
クーパーズは本製品をプレミアムビールと位置付けた。どこにでもあるような薄味ガブ飲み系ではなく、クーパーズの信念を持ちじっくりと造りこむことにした。そのため、過去クーパーズからシーズナルなどで販売されたものの焼き直しなどではなく、完全に新しく開発することを決定。自社製麦所より醗酵性の高いピルスナー麦芽とドライビールによく合うマグナムホップを選定、これにクーパーズ極秘の特別な酵母を使用し低温による長時間醗酵を施す。糖分をすべて分解させることにより極めてドライ、かつすっきりとした苦味を狙った。アルコールはフルストレングスとしてはかなり低めの4.2%、ドライ製品にはよく見られることだがローカーボで結果カロリーもやや抑えられたビールとなっている。
「モルトの甘さが控えめで、かつ苦味も控えめ。一年中様々な料理と一緒に楽しめる、爽やかな選択肢を消費者に提供します。」
クーパースのセールス&マーケティング・ディレクター、キャム・ピアース(Cam Pearce)氏は自信をもってこう語った。
クーパーズ ドライの味わい
クーパーズドライのテイスティングノートを紹介しよう。
まずはグラスへ注いでみるとドライ製品にしては比較的濃いめの色合いに粗目ではあるものの厚めの泡をしっかりと形成、勢いよく立ち上る気泡に力強さを感じる。
香りは大変ペールだが麦芽の柔らかなやさしさがある。ビーチ沿いの道を歩いてパブの前を通り過ぎた時に感じるあの雰囲気、本当にワイルドなオーストラリア感のある香りだ。無理やりにおいを探せばかろうじてシトラス香か、いやまたは足の裏の香りか、、。しかしやはりドライ製品、「麦芽がどうの、ホップがこうの」というたぐいの香りではない。あくまでペールという事だ。
そのまま勢いよくのどへ流し込む。なるほど。大変ドライで見事に辛口と表現できるだろう。さらにしっかりと探せは飲み初めに、わずかに麦芽の甘みを感じる事ができる。しかしこれは一瞬で消え失せる。喉から鼻に上る香りもほ軽めで苦味もやさしめと言ったところだ。炭酸とすっきりとしたマウスフィールは大変よく体に染み渡る。
これは真夏の暑い日、キンキンに冷やしてノドの渇きを一気に潤すというの良いだろう。加えてこのペール加減は料理への邪魔もなく確かになんにでも合わせやすい。
一方クーパーズの上面発酵系の定番製品に慣れた人々にはやや物足りなく感じてしまうか。クーパーズだけに味わいの濃いドライ製品をイメージするかもしれないが全く対局の味わいだ。はっきり言おう。薄い。
しかしこれこそがオーストラリアのドライテイストと言えよう。