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ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー

ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー
Sited from https://stoneandwood.com.au/
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基本情報

ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー
ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー
Sited from https://stoneandwood.com.au/
名称ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー
(Stone & Wood Green Coast Lager)
産地ニューサウスウェールズ州 バイロンベイ(Byron Bay)
ビアスタイルラガー
アルコール度数4.7%
IBU18程度 (非公式)
EBC (SRM)No Data
タイプフルストレングス
醸造所ストーン&ウッドブルーイングカンパニー
(Stone & Wood Brewing Co.)
ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー
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ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガー概要説明

ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガーは、ニューサウスウェールズ州のバイロンベイに存在するブルワリー、ストーン&ウッドブルーイングカンパニーが販売するビールで、通年販売されている「コアレンジ」の中の1つ。
本格的なラガースタイルとなる。
ストーン&ウッドと言えばそのフラグシップ製品、オーストラリア国内でとんでもない人気を集める「パシフィックエール」に注目が行きがちだが一般的なスタイルは一通りそろっている状況だ。その中でも最もスタンダードと言えるラガー。実は2008年の創業当初から醸造が開始された本製品はこだわりの自信作である。
元々は「ストーン&ウッド・ラガー」と言う名前であったが、バイロンベイの海が時々見せる顔、湾内に輝く美しい緑色の潮の流れにヒントを得て「グリーン・コースト・ラガー」と改名された。
バイロンベイの海は地元の誇り、そしてこの製品はまた、ストーン&ウッドの誇りなのである。

本ブルワリーの醸造ヘッドはIPAやペールエールなど、華やかな上面発酵は製法ステップが多く、またギミックが使われたり、とてもComplicatedになることが多いと感じていた。しかしラガーはその真逆、肩ひじ張らず、気取らずにグビグビと飲め、いつもそこにあるような存在、普通のビールがよいと感じていた。そんなカジュアルなラガーを目指しているものの、もちろんストーン&ウッドの目指す普通はただの普通ではないことは明らかである。

まずビアスタイルはオーストラリア国内の醸造所としては珍しい、ドイツ、ミュンヘン発祥のラガービールスタイル「へレス」*とした。
*レススタイルで有名なブランドにレーヴェンブロイ (Löwenbräu)があげられる

そのため麦芽は全てドイツ産の麦芽を使用しアロマに蜂蜜とパン粉のようなモルトのヒントを与え、デリケートで爽やかな口当たりを目指した。
ホップにはドイツ系でノーブルホップと呼ばれる高品質なもののみを使用。テトナンガー、シュパルト、ヘルスブルッカーと呼ばれる品種がスパイシーでハーブのようなキャラクターとクリーンな苦味を与え、軽いフルーティーなエステル香も生み出している。
その風味を存分に生かすため無濾過で自然な酵母をあえて残し、程よい濁り感を演出した。 最高の仕上がりを見せる「普通のラガー」。クリーンで爽やか、ほのかにスパイシーなホップと柔らかいモルトでいつまでも飽きの来ない飲み口は食事にもぴったりのミュンヘンラガーの完成だ。

ビールのオリンピックでシルバーメダル

ちなみにこのグリーン・コースト・ラガー、ビールのオリンピックと呼ばれアメリカで開催されるワールドピアカップ*2022年の「ケラービール or ツヴィッケルビール部門」において銀賞(第2位)を受賞している。本コンペティションには実に多くの部門が存在するが、この「ケラービール or ツヴィッケルビール部門」は酵母が存在する無濾過のヨーロッパスタイルのラガービール全般がエントリーしている。
グリーン・コースト・ラガーが世界に認められる水準であることを証明した。

*ワールド・ビア・カップ(The World Beer Cup):1996年より2年に1度、アメリカで開催される国際的ビールコンペティション。世界最大規模を誇り、「ビールの五輪」と称されることもある。

ストーン&ウッド グリーン・コースト・ラガーの味わい

それではグリーン・コースト・ラガーのテイスティングノートに迫っていこう。

【見た目】
まずはグラスにビールを注いでみる。最初は勢いよく粗目の泡を形成するがほどなく薄めの泡レイヤー1枚へと姿を変える。
注がれたビールは大変美しい。通常のビールよりやや薄目、明るめのイエローカラーで、いわゆるヘイジーとまでいかない程度の軽い濁りがあり、あたかもパインジュースのような姿を思わせる。
ただ立ち上る香りはほとんどなく自らグラスへ鼻を近づけないとそのアロマは感じられない。

【香り】
さて、スーッと香りを感じてみる。まずはシトラス系のホップが、そしてやさし気なモルトの甘みがそぉっと続く。全体的にはやさしい印象だ。

【味わい】
ではぐいっとビールを飲んでみるとどうだろうか。
「おぉ。。めちゃくちゃうまい!」と言うのが最初の感想だ。

さすがはクラフトブルワリー*が醸すラガー、大手のそれとは違い大変丁寧に造りこんでいるという事がよくわかる。
香りで感じたやさしいシトラスに続くやさしい麦芽の甘さ、軽いトーストを思わせる雰囲気がある。非常にピュアでクリアなテイスト、フルフレーバーと言えるほど輪郭がしっかりとしており、また甘みの後押しもある。
一方でセッショナブルと言う表現もまたぴったり当てはまり、ボディーとしてはミドルといえよう。バランスが絶妙だ。

本製品の派生品にストーン&ウッド グリーン・コースト・クリスプがある。そちらはミッドストレングスのラガーである為、日本人の我々からするとやはり薄いと感じてしまうことがあるが、このグリーンコースト・ラガーは全くそんな事は無い。丁寧で本格的なラガーであるが、まとまりがよくいつでもガブ飲みできるという安心さもある。
1点残念なのは公式が謳っている「スパイシーさ」はそれほど前面に出ておらず、探せばなるほどかすかに存在するというところだろうか。
それでもラガーとしての完成度は驚くほど高い。ストーン&ウッドがなせる仕事に乾杯したい。
*メーカーであるストーン&ウッドブルーイングは現在、豪州ビールシェアNo.2のライオンに買収されているが、あくまでクラフトブルワリーとしての姿勢を続けている

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