基本情報

名称 | ハーンスーパードライ(Hahn Super Dry) |
産地 | ニューサウスウェールズ州 シドニー郊外リッドカム |
ビアスタイル | ラガー |
アルコール度数 | 4.6% |
IBU | 10 (公式発表無し) |
EBC (SRM) | No Data |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | Tooheys Brewery(トゥーイーズブルワリー) |

ハーンスーパードライ概要説明
ハーンスーパードライはトゥーイーズブルワリーが製造するビールブランド「ハーン」シリーズの1つでオーストラリアで”ドライビール”の爆発的人気を巻き起こし、その後のオーストラリアビール製品群に「ドライ」を定着させた製品。
もともとビールのジャンルに「ドライ」なるものを生み出したのは1987年に発売が開始された日本のアサヒスーパードライと言われており、オーストラリアのビール業界にこのジャンルは存在しなかった。世界中で日本の「ドライ」の影響を受け、オーストラリアも1990年代ごろから少しずつドライをうたう製品が登場したが、どれも定着には至らなかった。
しかしこのハーンスーパードライが契機となりオーストラリアのビールに「ドライ」のジャンルを根付かせることとなったのだ。
ドライについて詳しくはビールの種類(スタイル)のページ内「ドライ」の項目を参照ください。
ハーンのブランドそのものはオーストラリアのビール業界で偉大な醸造家、チャールズ(チャック)ハーン博士(Dr. Charles “Chuck” Hahn)によって立てられたハーンブルワリーによって始まった。
1988年に立ち上げられたそのブルワリーは、1993年にはライオンネイサン(現在のライオン)によって吸収されてしまった。
こちらのハーンスーパードライ、販売が開始されたのが2006年の為チャック博士が直接その開発に携わったわけではない。それでもその他のハーンシリーズの味をしっかし踏襲しなおかつ1990年代の終わり頃に少しずつ世界で流行り始めていたドライの波に合わせしっかり乗り切り大成功をおさめた。現在ではハーンシリーズ、フラグシップの定番商品として根付いている。
通常のドライビールが持つイメージそのままに麦芽の糖分をイースト菌によりしっかり分解させることによりアルコール度数は若干高めにまた甘さはなくなり後味すっきりでキリリとした超辛くちを実現。
素材にも十分こだわっており選びぬかれた原材料に添加物や保存料は一切排除ビール本来の旨みをとことん追求した。
ローカーボビアとしても人気がある
このハーンスーパードライ、実は一方でローカーボ、ローシュガーを謳っており、炭水化物量は通常のビールより7割減の100ml中0.7%の含有量を、また糖質に至って99.9%落とし、結果100mlあたりたったの30カロリー*とこちらも超低カロリーを実現。2004年に市場に投入された「ピュアブロンド ウルトラ ローカーボ ラガー」以来定着したローカーボジャンルの1つとして、本製品も定着している。
*通常のビールは100mlあたりおよそ39キロカロリー(ハーンは30カロリー(キロが付かない))
抑えることられは抑えても味わいは抑えずフルストレングスでしっかりと口の中で長続きするテイストが魅力。 ハーンシリーズはこのスーパードライのみならずその他の製品でもテレビCMに力を入れておりいつも話題を誘う。挑発的な水着美女が登場することが多いのだがなぜか毎回オチがついてきたりする。
2011年に放送されたハーンスーパードライのCMは2012年のカンヌライオンズという世界最大級の広告等のアワード・フェスティバルにおいてフィルム部門で金賞を受賞した。
このCMはハーンスーパードライの工場を紹介する内容になっており、ナイトライダー*の音楽に合わせてビールが製造されていく工程が示されている。しかしその内容は非常にユーモアでビール工場らしからぬ映像が!
ぜひYoutube等の動画配信サイトで「hahn super dry ad 2011」等のキーワードで検索し確認していただきたい。
*Knight Rider(ナイトライダー):1980年代に日本でも放送されたアメリカン映画及びドラマ。マイケル・ナイトという正義のヒーローがナイト2000というスーパーカーに乗り込み悪を倒していくという物語。ナイト2000にはK.I.T.T(キット)と呼ばれる人工知能が搭載されていた。
ハーンスーパードライの味わい
ビールの色合いは深みのある黄色でグラスに注いでも出来上がる泡はやや薄め。
一瞬本当にウマイのかと不安になるが大丈夫である。
柔らかな麦芽とスパイス感のあるホップの香りが飲む前からでも感じられる。プラスしてわずかながらミネラルの雰囲気も感じ取れる。
味わいは、口に含めば軽いモルト感があるが、悪い言い方をすると味がない。いい意味でいうととてもドライなビールであるというとこをのっけから感じさせる。
ややつよめの炭酸、非常にすっきりとしておりものすごく飲みやすい。飲み終わりは極めてドライ。
最初から最後までドライである。
この味わいなオーストラリアの中では好みを二分するのではないか。
このビールが好きでない人は「テイストレス」と表現し、このビールのファンは「これこそがAsahi*に代表されるようなドライビールの醍醐味だ。」と評価する。
実際、上で味がないて表現したが、ドライテイストは口の中で長続きするフルフレーバーなあることは間違いない。 ようはこのビールの評価はドライについての捉え方だとお思われる。
*オーストラリアにおいてもアサヒスーパードライが販売されておりドライビール市場のいしずえを築いてきた。
日本人には間違いなく受け入れられる旨いビールだ。出た当初はオージーのドライへの認知がまだまだ現在のように追いついておらす理解されなかった部分も多い。
また、現在でも香り高いプレミアムビール至上主義の方々には受け入れられがたい味わいなのかも知れない。