カスケードドラフト基本情報

| 名称 | カスケード ドラフト(CASCADE DRAUGHT) |
| 産地 | タスマニア州 ホバート |
| ビアスタイル | ラガー |
| アルコール度数 | 4.7% |
| IBU | 推定 20 (公式発表無し) |
| EBC (SRM) | 推定 8~10 (4~5) 前後(公式発表無し) |
| タイプ | フルストレングス |
| 醸造所 | カスケードブルワリー(CASCADE BREWERY) |

カスケードプレミアムラガー概要説明
タスマニア州ホバートに醸造所を構えるカスケードブルワリー(Cascade Brewery Co.) は、1824年創業の現存するオーストラリア最古のブルワリーとして知られています。そこで造られるカスケード ドラフト(Cascade Draught) は、クラシックな“オーストラリアン・ドラフト・ラガー”に位置づけられる同ブルワリーのフラグシップかつ定番品で、アルコール度数は4.7%。公式の説明では、レジン(樹脂)を思わせるホップの香りに、軽いカラメル化モルトと繊細なフルーティさが寄り添い、適度な苦味でクリーンに切れていく味わいとされています。
原材料側の特徴として、タスマニアの小売各社の製品情報では、同社のハウスイースト(Cascade yeast)を用い、苦味付けにはオーストラリア固有のホップ「プライド・オブ・リングウッド」を使用、ベースは淡色モルトに少量のローステッドバーレーやダーククリスタルを組み合わせた設計が紹介されています。タスマニア州内での流通色が濃いことも併せて触れられています。
本製品の正式な販売時期は未定であるものの、ニュージーランドの国立図書館のラベルアーカイブに「カスケードドラフトビア(Cascade draught beer)」の資料(1960〜80年代)を確認でき、少なくとも半世紀以上この名称が流通していたことがわかります。また、タスマニアの新聞アーカイブ(Trove)には1927年の記事として、カスケードが新設備で「ボトル用のライトラガー」と「樽(ドラフト)向けの新しいビール」を仕込んだ旨が記録されており、ドラフトラガーとしての系譜は非常に古いことがうかがえます。
本製品のコンセプトはきわめて明快で、「オーストラリアのドラフトらしさ」を手本に、ほどよい苦味とクリアな後口、飲み飽きないバランスを志向した定番ラガーです。タスマニアのビアトレイル公式ガイドや小売の製品説明でも、「タスマニアの成人の味の記憶(coming-of-age のフレイバー)として語られる、レトロクールなドラフト」として紹介され、土地と生活に根差した“地元の一杯”としての立ち位置が強調されています。
カスケードドラフトの味わい
カスケード ドラフトをまずはグラスに注ぐと、液色は澄んだペールゴールド。グラスの側面を細かな気泡が立ち上がり、きめの細い純白の泡がふんわりと1センチほど積もります。時間とともに泡は薄いレース模様を残しながら静かに退き、清澄感のある見た目です。
香り立ちは穏やかで、まずは穀物由来のやさしいモルト香、その背後に(ホップである)プライド・オブ・リングらしい松脂・ハーブのニュアンスが控えめに顔を出します。カラメル化した麦芽のほんのり甘い気配と、かすかなフルーティさが合わさって、派手さよりも“落ち着き”を感じさせるアロマに収まります。公式がうたう「レジン様のホップ香と軽いカラメル感、控えめなフルーティさ」という説明に素直に合致する立ち上がりです。
口に含むと、第一印象はクリーンでスムーズ。淡色モルトの穏やかな甘みが舌の中央に丸く広がり、直後にホップの苦味がバランスよく追いかけます。ミドルでは薄いトーストやクラッカーのような風味が見え隠れし、終盤は苦味が前に出過ぎることなく、さっと引く清涼感のあるフィニッシュ。炭酸は細かく、喉越しは軽快で、もう一口を自然に誘う設計です。総じて、個性を誇示するタイプではなく、食事や会話の脇で“ずっとおいしい”を支えるタスマニアの定番ドラフトと言えます。
同ブルワリー内での位置づけ
カスケードの定番群の中で、本製品は「ほどよい苦味とクリーンな後口のドラフト感」に重きを置いています。よりホップが主張する味わいを求めるなら、歴史ある カスケード・ペールエール(Cascade Pale Ale)(5.0%)が選択肢になりますし、麦芽の甘みと琥珀色のコクを楽しみたいなら カスケード・ビター(Cascade Bitter)(4.4%)が適しています。より爽快なラガー路線ではカスケード・ラガー( Cascade Lager)(4.8%)があり、濃色・ロースト寄りの個性なら エクスポート・スタウト(Export Stout)(5.8%)へ。飲用シーンや好みに応じた“住み分け”が明確であるのもカスケードの面白いところである。

