基本情報
名称 | アルファペールエール (ALPHA PALE ALE) |
産地 | ビクトリア州 メルボルン |
ビアスタイル | ペールエール |
アルコール度数 | 5.2% |
IBU | 32 |
EBC (SRM) | 25(13) |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | マチルダベイブルーイングカンパニー(Matilda Bay Brewing Company) |
アルファ ペールエール概要説明
アルファペールエール。マチルダベイブルーイングカンパニーが製造するフラグシップ製品の1つ。
マチルダベイブルーイングカンパニーと言えばオーストラリア国内でマイクロブルワリー(クラフトブルワリー)の先駆けと言われ、大手ブルワリーでないにも関わらず驚くほど高い品質、かつ本当にウマいのビールを作ることで知名度をオーストラリア全土に広げていった。
(残念ながら?)1990年に現在の親会社となるカールトンアンドユナイテッドブルワリーズに買収され、さらにその親会社となるアサヒグループホールディングスに保有されているブルワリーとなってしまった。しかし、単独経営していた時も、現在のように買収された後でもその醸造に対する姿勢は変わらず、オーストラリア国内での評価は継続して高い。
そしてこの定番製品、アルファペールエールである。
こちらは、1984年にブルワリーが開始されて以来比較的早い段階から市場に投入され、2024年現在でも製造が続ている同ブルワリーの超定番、一押し製品だ。
フルストレングス、アメリカンスタイルのペールエールで特に北西部で作られるスタイルを色濃く受け継いでいる。
名前につけられた「アルファ」はホップに含まれるアルファ酸*を意味し苦味のみならずホップの良さが抜群に効いていることを示唆、麦芽の旨味ももちろんあるがそれよりはホップの素晴らしさを前面に主張した商品となっている。
*α(アルファ)酸とはホップの花に含まれる化合物群のこと。ビールの苦味の元となる。
使われるホップはアメリカスタイルのペールエールで多用されるカスケードアロマホップだ。シトラスのグラッシーさに加え柑橘系フルーティかつ爽やかさな味わいにスパイシーさもアレンジされている。
国際苦味単位(IBU)*は35であるとのスペックも添えられている。
*ビールの苦味を計るための国際的単位で「IBU値」と表現される。一般にこの値が高い方が苦味成分が多いが製法や材料により人々が感じる苦味においては数値の低い方がより苦く感じることもある。 最大値は100前後。非常に軽いラガービールは5前後。エール等で30。スタウトで50程のものもある。詳しくはリンク先IBUのページへ
アルファ ペールエールの味わい
それではこのビールの味わいに切り込んでいこう。
ビールの色合いは一般に我々が想像するものより2段階程の濃いめ、オレンジがかった美しいコッパーカラーを呈す。
比較的しっかりとかつファインな泡は美しい盛り上がりをみせ程よくその形状を保ち続ける。
注ぎ始め初期の段階から非常によい香りが立ちのぼり鼻孔をくすぐる。やはりまずはこのビールの特徴となっているホップの香りに焦点があたる。
少しずつ泡が消えるごとに、また炭酸の気泡が立ち上るごとにフルーティかつシトラスを思わせるアロマ。典型的とも思われるカスケードアロマホップの主張が非常に心地よい。そしてそれを追いかけるように麦芽の甘味的雰囲気を醸し出す。
口に含んだファーストインプレッションは意外なほどホップの苦味が強くはないところだ。バランスは絶妙によい。
むしろ麦芽の甘さが際立っている。甘い麦とでも言おうか、そしてそれに軽く焦がしたビスケットやトースト香のささやき。
たがフィニッシユは意外なほどドライでガツンとくる苦さがある。この変わり様はどうだ。
なるほどビールの名前に込められたアルファの意味が飲み終わりにしてはじめてわかるということか。
素晴らしく不思議な味わいではあるが一言でいうならばウマイ!それしかない。
口当たりはとてもよく炭酸はきつすぎずマイルド。
ここでもバランスの良さをかいまみせる。
もちろんフルストレングスなのだがボディーは意外なほど軽い。ライトからミディアムライトか。
軽くすいすいと飲めてしまう。
だががぶ飲みするのがもったいない位にゆっくりと味わいたくなる。