- 1918年にシドニーにある当時のトゥース&カンパニートゥースアンドコーというビール会社によって製造が始まったビール
- ニューサウスウェールズ州を代表する最も売り上げのあった幻のビール
- 2011年大変惜しまれながら当時メーカーのCUBにより販売中止が決定、今でも伝説として語られる
基本情報

名称 | KBラガー(ケー・ビーラガー)(KB LAGER) |
産地 | ニューサウスウェールズ州 |
ビアスタイル | ラガー |
アルコール度数 | 4.9% |
IBU | No Data |
EBC (SRM) | No Data |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | ケントブルワリー |

KBラガー(ケー・ビー・ラガー)概要説明
KBラガーは1918年に当時のトゥースアンドコーリミテッドという企業が保有するブルワリー、ケントブルワリーにて醸造が始まったビールで、ケントブルワリー(Kent Brewery)の頭文字ととってケー・ビー・ラガーと名付けられた。オーストラリアビールの中では比較的歴史のある銘柄で、販売が始まった当時はニューサウスウェールズ州には州を代表する銘柄が存在しなかったことや、丁寧に作りこまれた味わいに加え数々のマーケティングが評判を呼び徐々に人気を獲得、1970年代後半から80年代にかけ当時のニューサウスウェールズ州で最も売り上げを獲得、同州を代表するビールに成長していた。
ケントブルワリー(Kent Brewery)はその後当時のフォスターズグループに買収されるものの、2011年を中心としたカールトンアンドユナイテッドブルワリーズ(CUB)への社名変更に続き、外資企業であるエスエービーミラー(SAB Miller)への売却、情熱よりも利益を追求した経営、ラインナップのスリム化などの波にもまれ同じ年に販売が中止された*。
当時のKBラガーファンからは大変惜しまれた。
*このあたりの流れはカールトンアンドユナイテッドブルワリーズの歴史を参考に
販売されていた当時はその頭文字からキッズビールと、またゴールドに輝く缶が大変印象的なことからロールゴールド(Rolled Gold(丸い金))などの愛称でも親しまれた。
2011年7月にはCUBによるKBラガーの復刻版が販売、5,000ケースのトライアルが瞬く間に売り切れてしまったことから追加で20,000ケースを生産、合計60万缶がKBラガーファンによって消費された。
KBラガーの商標はいまだにCUBによって余裕されている。再度の復刻が望まれている。

KBラガー(ケー・ビー・ラガー)の味わい
KBラガーはクリスプな口当たりが飲みやすさを演出、それでいて麦芽の旨味が強いフルボディーな味わいだ。トーストブレッド、ナッツ系香ばしさのモルトの特徴が十分に感じられ後味には程よい旨味が感じられる。ホップの感覚はそれほど強いものではないが、それでも飲み初めにやさしく香り、また余韻には柔らかなフルーティーさ加減を残してくれる。これが非常に良い印象をもたらし人気を獲得したのだ。
オーストラリア各州を代表するビールというのはとかくノド越しでガンガンと飲ませるうまさがある。このKBラガーもそれに類するものではあるものの、それよりはかなりしっかりと造られた印象だ。これにはCUBに買収される前のビール会社トゥースアンドコーリミテッドの魂が垣間見える。
醸造するビールにはしっかりを意味を持たせ、選び抜かれたこだ割のある素材を使用。丁寧に作り上げたのだ。
しっかりと仕上げるとしっかりと味わいが付いてくる。これこそがKBラガーが万人に愛された証である。