基本情報
名称 | ステータスクオ・ペールエール(Status Quo Pale Ale) |
産地 | ニューサウスウェールズ州 ブルーマウンテンズ、カトゥーンバ(Katoomba) |
ビアスタイル | ニューイングランド・ペールエール(NEPA) |
アルコール度数 | 5.2% |
IBU | No Data |
EBC (SRM) | No Data |
タイプ | フルストレングス |
醸造所 | マウンテンカルチャービアカンパニー (Mountain Culture Beer Co) |

マウンテンカルチャー ステータスクオ ペールエール 概要説明
マウンテンカルチャービアカンパニー(以下、マウンテンカルチャー)は、かつて米国で経験を積んだ醸造家DJ・マクレディ(DJ McCready)とその妻ハリエット(Harriet McCready)が2019年に設立した、ブルーマウンテンズの町カトゥーンバにあるクラフトビールブルワリー。地元の旧劇場を醸造所にリノベーションしたユニークな空間で、開始から短期間でオーストラリア中のビールファンから熱い注目を集める存在となった。今では、国内クラフトブルワリー界でもトップレベルとして認知されている。
そのフラッグシップとして登場したのが、このステータス クオ・ペールエール、だ。
クラシックなペールエールという「ステータス・クオ(現状維持)」を打破するという意思のもと、トロピカルフルーツや柑橘のアロマを大胆に引き出した、ニューイングランド・ペールエール(NEPA)*スタイルのジューシーな1杯となっている。
NEPAというスタイル、日本ではあまりなじみがないかもしれない。
これは2000年代の初頭に米バーモント州で誕生した比較的新しいスタイルで、基本的にはIPAの兄弟分。小麦やオート麦を多用することで濁りある外観と、トロピカルフルーツを思わせる芳醇な香り・ジューシーな味わいが特徴となるものだ 。マウンテンカルチャーでもこの特徴を最大限に引き出すために、後投入ホップやドライホッピングを積極的に取り入れ、「フルーツ感を最大化しつつ、飲みやすさも追求する」設計に仕上がっている。
*NEPAについて詳しくはビアスタイルのページ、ニューイングランド・ペールエール(NEPA)を参照ください
使用ホップにはモザイク(Mosaic)やシトラ(Citra)などのアメリカンホップをふんだんに使用。濁った見た目とソフトな口当たりは、伝統的なペールエールとは一線を画す仕上がり。マウンテンカルチャーらしい「革新」と「親しみやすさ」を兼ね備えた。
品評会での常連入り
本製品、ステータスクオ ペールエールの人気ぶりはオーストラリア国内最大の人気投票ビールランキング「グレートオーストラリアンビールスペクタキュラー ホッテスト 100(GABS* Hottest 100)」の結果からもうかがい知ることができる。
2022年、2023年、2024年に堂々の第1位を獲得。結果、オーストラリアで最も有名なクラフトビールのひとつとして知られるようになった。
*GABSはGreat Australian Beer SpecTAPularの略後で「スペクタピュラー(SpecTAPular)」はスペシャル(Special)なタップ(TAP)(生ビールを注ぐサーバー)とペクタキュラー(spectacular)を合わせた造語である。

マウンテンカルチャー ステータスクオ ペールエールの味わい

マウンテンカルチャー ステータスクオ ペールエールのテイスティングノートへ移ろう。
ビールをグラスに注ぐとまず目を引くのは、濁ったオレンジゴールドの色合い。いわゆるヘイジーな外観だ。NEPAスタイルの特徴が十分に感じられる。注いだ瞬間に広がるアロマはマンゴー、パッションフルーツ、熟したオレンジ、桃、グアバのような、南国フルーツを連想させる華やかで濃密な香りだ。
口に含むと、ソフトで滑らかかつクリーミーな口当たりが印象的だ。炭酸は控えめで、ジューシーな甘みと軽やかな苦味が絶妙にバランスをとっている。とかくIPAは強すぎる印象があるがこのステータスクオのラインは絶妙で、大変な人気も納得である。
後味はすっきりとしながらもホップのアロマが鼻に抜けるように残り、飲みごたえと飲みやすさを兼ね備えた仕上がり。「ペールエールは軽すぎる」と感じる人には十分な深みがあり、「IPAは重すぎる」という人にも受け入れられる、大変に完成度が高くまさに万人に愛されるモダンペールエールといえる。
本製品は、伝統的なペールエールに満足せず、「今どき」のクラフトビールを求めるすべての人に捧げたい逸品だ。
ジューシーで華やか、それでいて飲み疲れない設計は、マウンテンカルチャーの哲学と技術の高さを存分に感じさせてくれる。
ビールだけでじっくりとその味わいを楽しむのもよし、フルーティーさを活かして、スパイシーなアジアンフードやハンバーガーと合わせるのもおすすめ。
クラフトビールファンなら、絶対に一度は体験しておくべきオーストラリア産ペールエールの新たな「標準(STATUS QUO)」である!