オーストラリアビールの基礎

オーストラリアビールの基礎basic information

オーストラリアとビール

缶ビール

オーストラリア人はじつにビール大好きな国民といえる。

パブへ行けばそれこそ水のようにビールをがぶ飲みし、グラスを重ね続ける。

ビールはオーストラリア国内で最も飲まれているアルコール飲料で、アルコール販売額約170億ドルのうちの約半数の金額をしめる。

(http://www.foodweek.com.au/)

また国民1人辺りのビール消費量は世界の国の中で位で常にトップ10に名前をつらね(それもかなり上位)、年間約100リットルを超える量を消費する。

ビールの次に飲まれているのがワイン、そのあとにスピリッツ(蒸留酒)とつづく。

しかしながら1人辺りのビール消費量はここ近年減少を続けている。これはかつて誰もがビール一辺倒だった時代から文化の成熟により好みが別れていったためだとも考えられるが、主な原因はライトビール消費量の減少によるものである。

この傾向(ビール消費量低下)はしばらく続くものと考えられる。

http://www.abs.gov.au/ausstats/abs@.nsf/Lookup/4307.0.55.001main+features42009-10

http://www.kirinholdings.co.jp/english/ir/news_release051215_4.html

オーストラリアのビール会社

オーストラリアのビールはイギリスの開拓によって持ち込まれたのが始まりとなり、かつてはその歴史の中で非常に多くのビール醸造所が存在した。現在そのほとんどは無くなったか吸収合併をくりかえし、大手飲料メーカー(やコングロマリット)は多くのビール醸造所を保有する結果となった。

小さなビールメーカー(マイクロブルワリーとよばれる)や地ビール会社などを除けばオーストラリアのビール会社は日本と全く同じで寡占となっている。

日本ではキリン、アサヒ、サッポロ、サントリー、オリオンの大手5社により国内ビールシェア99%以上を占めるがオーストラリアもそれほど変わらない。

企業の形態は日本と若干異なり、ビール醸造所がそのビールのブランド名を持つというにはなるが、それらの醸造所も大手ビール会社の傘下となっており、現在オーストラリアではたった3社による寡占状態となっている。
その3社は

■Lion Nathan(ライオンネイサン)
■Foster's Group(フォスターズグループ)
■Coopers(クーパーズ)
である。


メージャーで巨大な醸造所はすべてライオンネイサン社フォスターズグループの傘下となっおり、例外はクーパーズのみで、唯一単独の家系により運営が続けられているブルワリーである。

詳しくはオーストラリアのビールメーカーのページを参照して頂きたい。

繰り返しになるが実際には上記3社以外にもビールを製造する企業は多数存在する。それらは日本で言う地ビールを製造する企業に位置づけられており「マイクロブルワリー」と呼ばれている。 マイクロブルワリーに関してももオーストラリアのビールメーカーのページを参考にして頂きたい。

地域に根付いたビールブランド

ビールブランドについてオーストラリアの人々はそのブランドがどこの州のどの都市で作られているものかを気にする。ビールの紹介がなされるときや、勿論普段の会話等でも焦点が当てられる事が多い。

例えばCASTLEMAINE PERKINS(カッスルメインパーキンス)という醸造所が保有するXXXX(フォーエックス)という有名なブランドがあるのだが、これはクイーンズランド州のブリスベンというところにある工場にて製造される。またSwan(スワン)というブランドは西オーストラリア州、パースで作られる。

人々ば会話の中でそれを気にしたりするのだが、例えばXXXXを指して「これはクイーンズランドのビールだよね。」だとか、「スワンってどこで作られるビールだっけ?」「パースだね。」等といった会話を楽しむ。この点は日本と大きく異るところである。


このように語られるようになった理由は、1901年、連邦国家としてのオーストラリアが誕生するより以前はそれぞれの植民地化された地域が独立した法律を持ち統治されていた為だ。
アルコールに関する法律もまた例外では無く、酒類の生産や販売はそれぞれの地域(州)のルールに従っていた。
また食料品や特産物もまたその土地に根付いたものが生産されておりビールも同様地域ごとに独立して進化を遂げていった。

1800年代の終わり頃にようやく鉄道が発達を始めたが、それ以前のオーストラリア大陸で商業のための往来には船が用いられた。
そういう状況であった事から、たとえ当時その地域に於いて最大のビール会社であったとしても現在のようにオーストラリア全土にまんべんなくビールを運ぶことは不可能だったのである。
つまり地域が変われば飲めるビールはほぼそのエリアで造られるもののみだった。これが歴史的に根付きその習慣が残った。
そして例えば、スワンと言えばパース。XXXXといえばブリスベンなどと土地とセットで語られることが現在まで続いている。
ビールの消費量はやはりその土地に根付いたブランドがその他の土地に比べ圧倒的多くなっている。
一般的には以下のブランド又はビール単品が次の地域として認知されており、オーストラリアビール通ならば最低でも抑えておきたい内容である。


■ New South Wales(ニューサウスウェールズ州)(NSW)
  ・Tooheys(トゥーイーズ) (シリーズ)
  ・Reschs(レシャス) (単品)
  ・Hahn(ハーン) (シリーズ)
  ・James Squire(ジェームズスクワイア) (シリーズ)
  ・KB Lager(ケービーラガー)(単品)


■ Northern Territory(ノーザンテリトリー)(NT)
  ・NT Draught (単品)


■ Queensland(クィーンズランド州)
  ・Castlemaine XXXX (シリーズ)
  ・Powers(パワーズ) (単品)


■ South Australia(南オーストラリア州)
  ・Coopers(クーパーズ) (シリーズ)
  ・West End(ウェストエンド) (単品)
  ・Southwark(サザーク※1) (単品)

  ※1:
サザーク /ˈsʌðək/  と発音すべし(「サウスウォーク」ではない)
     またアクセントは「」に置きます


■Victoria(ビクトリア州)
  ・Carlton Draught(カールトンドラフト) (単品)
  ・Victoria Bitter(ビクトリアビター) (単品)
  ・Melbourne Bitter(メルボルンビター) (単品)


■Western Australia(西オーストラリア州)
  ・Swan(スワン) (シリーズ)
  ・Emu(エミュー) (シリーズ)
  ・Kalgoorlie(カルグーリ) (シリーズというか・・・。)


■ Tasmania(タスマニア州)
  ・タスマニア州北部: Boag's (ボーグズ) (シリーズ)
  ・タスマニア州南部: Cascade (カスケード) (シリーズ)

オーストラリア国内のビール事情

オーストラリア国内で販売されるビールはほとんどがオーストラリア製のものでありその種類はかなりの数にのぼる。

日本国内では売られているビールのほとんどがラガータイプなのに対し、オーストラリアではエールやラガーを中心にスタウト、ポーター、ボック、その他多くの種類(スタイル)のビールが飲めるというのが特徴である。

酒屋で売られるビールはほとんどがStubby (スタビー)とよばれる小さな瓶だが、750mlサイズの瓶や缶で売られているものもある。瓶について詳しくはビール瓶の種類を参考に。